大谷翔平、“PO守護神”に現実味か 異次元の先発枠争い…指揮官が悲鳴「全員才能ある」

先発6番手シーハンが7回9K1失点で6勝目、山本由伸ら先発陣が絶好調
【MLB】ドジャース 7ー2 ロッキーズ(日本時間10日・ロサンゼルス)
ドジャース・大谷翔平投手のクローザー抜擢はあるのだろうか。9日(日本時間10日)の本拠地・ロッキーズ戦で、先発のエメ・シーハン投手が7回9奪三振3安打1失点。5回までパーフェクトに抑える力投で自己最多を更新する6勝目を挙げた。25歳右腕が台頭する一方で、チーム内の競争が超熾烈な展開となっている。
右肘のトミー・ジョン手術明けのシーハンは、8月25日(同26日)のレッズ戦で7回10奪三振2安打無失点の快投を披露。本拠地6登板では3勝1敗、防御率2.32と抜群の安定感を見せている。ロバーツ監督も頼もしそうだった。
「彼は本物だ。重要な試合で若い選手がどう感情をコントロールするかを見るのは大事だが、その点で彼は動じないタイプだ。これは最高の褒め言葉だ」。ポストシーズンのような一発勝負の大舞台でも力を発揮できる投手だと褒めちぎった。
一方で嬉しい悩みとなりそうなのが、ポストシーズンの先発ローテーション争いだ。10月のポストシーズン中は4人いれば足りるが、山本由伸、クレイトン・カーショー、タイラー・グラスノー、ブレイク・スネル、大谷翔平、シーハンの6人。この日マイナー戦で160キロを連発してメジャー復帰をアピールした佐々木朗希も割って入るのは容易じゃない展開となっている。
「(先発ローテの)6人全員が才能のある投手だけど、確実に互いが良い影響を与えあっている。みんな重要な試合だと理解していて、プレーオフのような気持ちで臨んでいる」
この日の試合後、ロバーツ監督は現在の先発陣をこう称えた。DH→救援登板→DHの起用は現行ルールで認められておらず、大谷の救援起用に障壁があるのは事実だが、2023年WBC決勝のように抑え起用なら可能性は広がる。なんと言っても、今季の救援防御率4.20はリーグ9位(メジャー19位)とチームのウイークポイント。ポストシーズン中は「1番・指名打者」で出場しながら、大一番の試合を締めるべく“ブルペン待機”する可能性は決してゼロではない。
9月5連敗スタートとなったドジャースは3連勝。地区優勝を争う2位・パドレスとのゲーム差は「2」に開いた。ここ10試合で7勝3敗と調子を上げている3位・ジャイアンツと7試合を残しているだけに、V争いの行方はまだまだ分からないが、その一方で、世界一連覇へ向けて、どのような布陣を敷くのか。目の離せない展開となっている。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)