大不振のベッツはなぜ復活? 大谷翔平クラスの“激変”…米識者が指摘した衝撃数値

ドジャースのムーキー・ベッツ【写真:ロイター】
ドジャースのムーキー・ベッツ【写真:ロイター】

8月6日以降の32試合で打率.352、長打率.578、OPS.978

 シーズン終盤になって本来の姿を取り戻した。ドジャースのムーキー・ベッツ内野手は今季自己ワースト級の大不振に陥っているものの、8月5日(日本時間6日)以降の32試合で打率.352、長打率.578、OPS.978をマーク。この間に7本塁打、9月だけで4本放っている。一体何があったのだろうか。MLB公式のデビッド・アドラー記者が分析している。

 まず顕著なのがOPSの上昇だ。8月5日(同6日)以降のOPS.987はMVP級の水準で、100打席以上の打者184人中でトップ10に入る。その間にOPS3位に位置する大谷との1&2番コンビは「再びMLBのどの上位打線においても最も危険なデュオの一つとなっている」とアドラー記者。また、同期間の打率.352はMLB5位。45安打は同2位ととにかく打ちまくっている。

 そして内容も充実している。32試合の三振割合はわずか5.6%、空振り率も11.0%にとどめており、三振数8は本塁打数7とほぼ同数。パワーとコンタクトを両立する姿はまさに全盛期のそれだ。

 また、MLBでは打球速度や打球内容から算出される「expected stats(エクスペクテッド・スタッツ)」が近年は重視されている。好成績や不振が運などによって左右されるのかを測る指標だが、ベッツはxBA.361、xSLG.592がいずれもこの期間の数字を上回り、xBAに関してはメジャートップ。つまり、ただ運がいいだけで好成績を残しているわけではないようだ。ライナー率37.2%はメジャー最高で、理想的な打球角度かつ95マイル超の強い打球が多いことが、その質の高さを示している。

 アドラー氏は最後に「すべてを合計すると、ベッツは総合的にトップ5選手である」と結論づけた。直近32試合のWARはメジャー4位タイ。この期間においては大谷以上の勝利貢献度を叩きだしており、「シーズン全体はショウヘイのようなMVP級シーズンとは言えないかもしれないが、それでもある程度の期間において今でもトップ5に入ることができる選手なのだ」と活躍を称えた。現在のベッツは「ピークのムーキー」に近く、10月の勝負どきに向けてドジャースを牽引しうる存在だ。復活したムーキーの一打一打が、チームの行方を左右する。

(Full-Count編集部)

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