大谷HRで誕生…バズり企画の裏側に密着 日本企業が“うれしい悲鳴”「やばいかもしれない」

ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

「日清製粉ウェルナ」パンケーキ企画“SHO-TOWER”の舞台裏に迫った

 豪快なアーチと共に積み上がるパンケーキ――。ドジャース・大谷翔平投手の本塁打数に合わせたパンケーキ企画“SHO-TOWER”をSNSに投稿する日本企業が話題になっている。食品メーカー「日清製粉ウェルナ」の応援企画。“ガチンコ”で制作されるパンケーキタワーの裏側に迫った。

 13日終了時点で48本塁打を記録している大谷。ハイペースで放たれるアーチと共に、パンケーキタワーもどんどん高くなっていく。「実際、タワーが倒れそうになったことはないんですか?」。担当者に思わず聞かずにはいられなかった。

「正直、18枚目くらいで『これは、やばいかもしれない』と思い始めました。一時期、お皿を手で持ってバランスを取っていたのですが、これ以上積み上げていくと『落下のリスクがあるため何度も何度もメンバーで検討を重ねました(笑)」

 撮影は社内の調理室で行われ、準備には「焼くのに1~2時間、トッピングの準備などを含めると3時間ほど」という。特に大谷の本塁打が続くと制作は“綱渡り状態”になる。日々工夫を凝らし、「31号からはパンケーキを全体的に大きくして、安定感を増した」。現在の形にたどり着いた。

 SNSには日々アドバイスが寄せられる。「真ん中に串を刺すのは反則だ」といった厳しい意見や、海外でパティシエの修業をしたという方から、ウエディングケーキのバランスの取り方を図解で説明してくださるお便りが届いた、という驚きのエピソードも明かしてくれた。

日清製粉ウェルナの担当者【写真:日清製粉ウェルナ】
日清製粉ウェルナの担当者【写真:日清製粉ウェルナ】

作ったパンケーキは社内で食べている

 作ったパンケーキは、当初は制作している4人で消費していた。しかし、本数を重ねるごとに量が増えてきたこともあり、「作っていると『おお、やってるね』と色々な社員が見に来てくれるので、『ぜひ食べてください!』と声をかけたりしてみんなで食べています。大谷選手が打てば打つほど社内では“パンケーキ食べ放題”になりますが、私たちの調理時間はどんどん長くなっていきます(笑)」と、うれしい悲鳴も口にした。

 投稿は会社のパソコンで行われるため、土日祝日はリアルタイムで更新されない。「『なぜ投稿しないんだ』とお叱りを受けるかとヒヤヒヤしていました」。担当者の心配は杞憂に終わった。「ウェルナさんは業務時間をちゃんと守っていて素晴らしい」といった好意的な声が多く寄せられた。

「好意的に捉えてくださって、本当にありがたいです」。休み明けの月曜朝は担当者が早めに出社して対応している。企業としての誠実な姿勢が、ファンのさらなる共感を呼んだ。

 SNSで大反響のパンケーキ企画“SHO-TOWER”。「たくさんの人にシーズン最後まで楽しんでいただけたらうれしいです」と喜ぶ。大谷の自己最多本塁打更新への期待も高まる中、「正直、パンケーキタワーが倒れないか怖いですね」と不安をこぼしつつも、「何が何でもやりきります」と力強く宣言した。

(森大樹 / Daiki Mori)

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