大谷翔平、逆転HR王へ“好材料” シュワーバーにない強み…専門家も驚き「先発翌日と思えない」

51号本塁打を放ったドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
51号本塁打を放ったドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

「最後に一番甘いところに来た」スライダーを逃さなかった

【MLB】ドジャース 5ー0 フィリーズ(日本時間18日・ロサンゼルス)

 ドジャース・大谷翔平投手は17日(日本時間18日)、本拠地で行われたフィリーズ戦の8回に51号ソロを放った。前日(16日)の同カードで史上6人目の2年連続50本塁打に到達した男は、2試合連発で今季ナ・リーグ本塁打王争いでもトップのカイル・シュワーバー外野手(フィリーズ)へ2本差。チームは5-0で勝利し、ナ・リーグ西地区優勝へのマジックを「8」に減らした。

 勝敗を決定づけた。3-0とリードして迎えた8回。先頭の大谷はフィリーズ先発の左腕ヘスス・ルサルド投手と、この日4度目の対戦に臨んだ。1球目と2球目はボールになる外角低めのスライダーを見極め、さらに3球連続のスライダーが外角のストライクゾーンに来たところをとらえ切れず、ファウル。4球目は157キロの速球を空振り、5球目は内角高めのチェンジアップをファウルと巧みに攻められたが、6球目のスライダーが真ん中に来たのを見逃さなかった。打球は高い放物線を描き、バックスクリーン右の中堅席に飛び込んだ。

「この打席だけで4球目、この日7球目のスライダーが、最後に一番甘いところに来ました。スライダーの軌道は頭に入っていたと思います。ドンピシャでとらえました」。こう解説するのは、現役時代にNPB通算2038安打を放ち、MLBにも詳しい野球評論家・新井宏昌氏である。

 大谷は前日(16日)に先発投手として5回無安打無失点(1四球)の快投を演じる一方、打っても50号ソロを含む2安打。「この日も先発登板翌日とは思えないほど、疲れを一切感じさせない躍動感、鋭いスイングを見せてくれました。好投手のルサルドから打ったことも、勝負所の残り試合、ポストシーズンへ向けて良い傾向だと思いますよ」と新井氏は指摘する。

 ルサルドは今季リーグ2位タイの14勝(7敗)を挙げ、同じく2位タイの206奪三振をマーク(成績は17日現在、以下同)。大谷はエンゼルス時代の2021年に、アスレチックス時代のルサルドから1発を放ったことがあるが、今季は4月4日の対戦で3タコに封じられていた。フィリーズは既にナ・リーグ東地区優勝を決めているだけに、ポストシーズンで対戦する可能性のある要注意左腕でもある。

 一方、今季53本塁打のシュワーバーは4打数ノーヒット3三振とからきし。新井氏は「これで本塁打王争いも面白くなりました」とうなずく。8月28日のブレーブス戦で1試合4本塁打を放ったように、驚異的な爆発力を誇るシュワーバーに対し、2年連続50本塁打の大谷には類まれな安定感がある。両雄の争いは最後まで目を離せない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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