カーショーが貫いたエースの“矜持” 降板直後に漏らした「ひどい投球で申し訳ない」

本拠地シーズン最終登板は4回1/3を投げ、4安打2失点。4四球6奪三振
【MLB】ドジャース 6ー3 ジャイアンツ(日本時間20日・ロサンゼルス)
最後まで、エースとしての振る舞いを見せた。今季限りでの現役引退を表明したドジャースのクレイトン・カーショー投手は19日(日本時間20日)、本拠地のジャイアンツ戦でレギュラーシーズン本拠地最終登板を果たした。5回途中2失点の粘投。降板後、指揮官に対して“謝罪”の言葉があった。デーブ・ロバーツ監督が明かしている。
ドジャース一筋18年のカーショーは前日18日(同19日)に今季限りで現役引退することを発表した。3度のサイ・ヤング賞、通算222勝、通算3000奪三振など数々の偉業を成し遂げてきた。この日の登板には家族はもちろん、数々のVIPが詰めかけ、1球1球に拍手が送られた。
しかし、先頭打者にいきなり被弾すると、同点に追いついた3回は勝ち越し打を許して苛立ちを見せる場面があった。この日は珍しく制球を乱して4四球。それでも、5回先頭のラファエル・デバース内野手を見逃し三振に打ち取ると、ロバーツ監督は交代を決断。マウンド上で会話を交わし、カーショーはスタンディングオベーションの中でベンチへ下がった。
大谷翔平投手の逆転3ランもあって試合に勝利し、13年連続のポストシーズン進出を決めた。試合後の会見に応じたロバーツ監督は、報道陣からカーショーとどんな会話をしたかと聞かれ、「『素晴らしいキャリアにおめでとう』と声をかけたよ」と言う。一方でカーショーから返ってきた言葉は、エースらしいものだった。
「今夜はひどいピッチングをして申し訳ない」――
誰もカーショーを責めることはない。それでも、常にチームの勝利のために貪欲に腕を振ってきた左腕は、“最終登板”での自身の不甲斐なさを嘆いた。その後、大谷が逆転弾を放ち、ベンチで満面の笑みで抱擁を交わした。「勝利」の2文字につなげた偉才に、心からの敬意を示した瞬間だった。
(Full-Count編集部)