カーショーから大谷翔平に渡された“バトン” 完全試合男が感銘受けた瞬間「思えてならない」

ドジャースの“リーダー”としての歴史を物語る一発
ドジャースの大谷翔平投手が19日(日本時間20日)のジャイアンツ戦で放った52号逆転3ランが、今季限りでの引退を表明したクレイトン・カーショー投手の本拠地最終登板に花を添えた。この一発を見た元MLB投手は「バトンタッチ的な感じ」と表現し、ドジャースにとっての歴史的なシーンと評価している。
5回2死一、二塁の場面で大谷が相手先発ロビー・レイの外角高めギリギリに制球されたフォーシームを見事に捉えると、打球は左翼スタンドへ。ドジャースタジアムが熱狂の渦に包まれる劇的な一発となった。カーショーは5回途中4安打2失点で降板していたため、大谷の52号3ランで負けが消えることになった。
カーショーは美しい弧を描く宝刀「レインボーカーブ」を武器に、18年間で3度のサイ・ヤング賞を受賞した。2014年には21勝3敗、防御率1.77でMVPを受賞。試合中には並々ならぬ勝利への執念から感情をむき出しにし、生涯ドジャースを貫いて名門の看板を背負ってきた。
一方の大谷は2024年にドジャースに入団し、いきなり54本塁打&59盗塁というMLB史上初の快挙を達成してワールドシリーズ制覇に導いた。今季は二刀流として復帰を果たし、日々の一貫した努力を継続している。カーショーも練習中から常に高いプロ意識で調整を続け、18年ものキャリアを築いてきたとあって、背中でチームを引っ張る点では両者に相通じるものがある。
元MLB投手で2010年に完全試合を成し遂げたダラス・ブレイデン氏は、この大谷の一発について「それはバトンタッチ的な感じに思える。まるで、オオタニが『ありがとう、君が築き上げてきたものを大事にすると約束するよ』と言っているかのように思えてならない」と見解を示した。
18年間チームを支え続けたカーショーに、ドジャースの新時代を担う大谷が捧げた“意地”の一発。両者の存在感、そしてこの試合の持つ重要性を考えると、長く語り継がれる一発となりそうだ。
(Full-Count編集部)