ドラ2入団も「貢献できず終わった」 イップス、腰手術…4年で戦力外に「結果が全て」

DeNAから戦力外通告を受けた徳山壮磨【写真:町田利衣】
DeNAから戦力外通告を受けた徳山壮磨【写真:町田利衣】

DeNA徳山壮磨は戦力外通告に「心構えはしていましたね、実際」

 悔しさを押し殺し、言葉を絞り出した。「ドラフト2位で入って、なかなかチームに貢献できずに終わってしまったのが申し訳ない気持ちです」。DeNAから戦力外通告を受けた徳山壮磨投手は、2021年ドラフト2位で入団も、1軍登板は昨季の29試合のみ。腰の手術から復帰した今季、1軍からの声は掛からなかった。

「心構えはしていましたね、実際」。毎年チームを去る選手がいる世界に身を置いてきた。「9月中旬くらいから、日が過ぎていくごとに雰囲気というか、あるかなというのは本人が一番感じる部分があるので」と“空気”を察していた。2軍では36試合に登板して防御率3.31。「怪我明けでやって、結果が出なかったのが全てなので。そういう世界ですし。だからこの結果を受け止めています」と口を真一文字に結んだ。

 大阪桐蔭高で3年春に選抜優勝、早大では東京六大学リーグで最優秀防御率に輝くなど輝かしい経歴を引っ提げ、即戦力の期待を受け入団した。しかし新人から2年間は1軍未登板。2年目にはイップスに陥りボールを投げることもできない苦しみを味わった。それでもメンタル面のアドバイスを受けるなどして克服。昨季は29試合で1勝1敗8ホールド、防御率2.45と輝きを放った。終盤に腰痛で離脱し、9月5日に内視鏡下腰椎椎間板摘出術を行った。

 今季2軍では後半にようやく球速も戻り、手応えを感じつつあった。「トータルではうまくいかなかったと思いますが、正直まだまだやれるという気持ち。もちろん現役続行を希望しますし、しっかり準備して待ちたいと思います」と闘志を燃やした。

「4年間……むっちゃ短かったです。でもこれを次にどう活かせるかだと思うので、しっかり前を向いてやりたいと思います」と力強く言った徳山だったが、最後に「不安ですけどね」と本音も漏れた。26歳にして立った岐路。必死にトレーニングを続けながら、吉報を待つ。

(町田利衣 / Rie Machida)

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