ストライクが入らない原因は「硬い股関節と肩」 “見えにくい投手”になる柔軟性チェック

リリースポイント安定のためは骨盤&肩周りの柔軟性が重要
少年野球の悩みで多いのが「ストライクが入らない」「思い通りのところに投げられない」という制球力の問題が挙げられる。その原因の1つが「股関節や肩の柔軟性不足」。体が硬いと理想的なフォームが作れず、リリースポイントがずれてしまう。オリックス・山岡泰輔投手をはじめ、これまで30人以上のプロ野球選手を指導してきたトレーナーの高島誠さんは、自宅でもできる簡単な柔軟性チェック方法を紹介している。
右投げの場合、まずは左足を体の前で90度曲げた状態で座り、上体がスムーズに立ち上がれるかチェックする。骨盤を真っすぐ立たせられれば及第点だ。この状態で左膝が浮いていたり、左腰が右側に曲がるような状態なら要注意となる。続いて、バー(棒状のもので代用可)を肩のラインで持って、上半身を左右に回していく。回した角度が45度であれば及第点、90度までいければ十分に柔軟性があるといえる。
このストレッチは投球時の骨盤周りのスペースを確保するためのチェックともなる。体が十分に柔らかければ、リリース時に上半身を前に傾けて、体の前でボールが離せるようになり、綺麗なストレートを投げるリリースポイントの習得が可能になる。逆にリリースの位置が高すぎると、制球がばらついたり、ボールに正しい回転をかけることが難しくなるという。
さらに、高島氏は「投げる手側の柔軟性があれば、しっかり弓矢を引いた状態でのスローイングができる」と説明。柔軟性が増せば、頭や肘にボールが隠れて出てくるフォームになり、打者から見て球の出どころが見えにくくなる。実際の球速より速く感じるタイプの投手になれるのだ。
今の自分の状態を、毎日チェックすることも大切になる。高島さんは「土曜日は◎でも、日曜日は硬くなって×、という日による変動もある。そのため、毎日の柔軟性チェックを習慣にして、体の状態を常に把握することが大切」と語る。制球力向上は一朝一夕にはいかないが、柔軟性を高めることから始めれば、着実に投球パフォーマンスは向上していくはずだ。
(First-Pitch編集部)
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