ベッツ「まるで敗退したみたい」 ロッカーに漂う空気に苦笑い「倒し切るのは大変だ」

「まるで僕たちがもう敗退したみたいに感じるね(笑)」
【MLB】フィリーズ 8ー2 ドジャース(日本時間9日・ロサンゼルス)
まさかの8失点で大敗。ドジャースのムーキー・ベッツ内野手は多くの報道陣に囲まれ、重苦しい空気を振り払うように言った。
「まるで僕たちがもう敗退したみたいに感じるね(笑)。でもまだ2勝1敗。確かにプレッシャーはあるけど、プレッシャーを感じられることは特権なんだ。大事なのは、それをどう受け止めるか」。百戦錬磨のチームリーダーはきっぱり言った。
初回1死で中前へ。ダイビングキャッチを試みた中堅マーシュが後ろにそらす間に一気に三塁まで進んだ。意外にもポストシーズン初の三塁打だった。しかし後続が先発ノラを攻略できずに初回無得点。「間違いなくチャンスを逃した。(先発ノラに)うまく切り抜けられた。(2番手で5回1失点の)スアレスもリーグ有数の先発投手の1人。本当にいい投手だ」。敵軍の投手陣へ賛辞を送った。
敵地で2連勝。勝てば3連勝で地区シリーズ突破が決まる試合だった。だが、「簡単なことじゃないんだ。本当に難しい」とベッツは言う。「うまく説明できないけど、どんな相手でも倒し切るのは大変なんだ。それが野球なんだ」。3度のワールドシリーズ制覇を経験している33歳の言葉には説得力がある。
対戦成績は2勝1敗。ドジャースが有利な状況に変わりはない。「明日もいつも通り。明日は新しい一日。新しいチャンスがやってくる。それに備えるだけだ」。頼もしいチームリーダーがドジャースを牽引していく。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)