DeNA25歳を“変えた”愛妻&家族からの言葉 「自分を信じられなかった」からの再出発

林琢真が1点を追う延長11回に同点の左前適時打
■DeNA 7ー6 巨人(12日・横浜)
DeNAは12日、横浜スタジアムで行われた巨人とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦で7-6のサヨナラ勝ちを収め、2連勝で阪神が待つファイナルステージ進出を決めた。1点を勝ち越された延長11回、林琢真内野手が執念の左前適時打。7回には19球粘って四球を選ぶなど、今CSで欠かせない働きを見せている。
5-6の延長11回。2死から石上が内野安打で出塁し、鮮やかに二盗を決めた。打席の林は「試合はまだ終わらせない。次に絶対につなごう」と集中力を研ぎ澄ませた。田中瑛の外角スライダーにバットを合わせると、打球は左前で弾む。石上の生還を見届けると、一塁ベース上で右腕を突き上げた。
殊勲の一打はもちろんだが、7回の第3打席では中川相手に19球粘って四球をもぎ取った。得点には結びつかなかったが、この仕事ぶりが2連勝の勢いを生んだと言っても過言ではない。三浦監督も「林も粘って粘って、ずっと昨日もそうでしたけど、まあ本当によく食らいついて最後打ってくれました」と称えた。
ルーキーイヤーは65試合で打率.206、2年目の昨季は63試合で同.167。しかし今季は牧が負傷離脱した8月からは二塁の定位置を掴み、レギュラーシーズン95試合で同.244と成長を示した。その裏には、メンタル面の改善がある。
これまでは落ち込みがちで、打てないときはミスをしたときは「自分を信じられなくなったときがあった」という。しかし昨オフに結婚した愛妻や家族の支えを背に、前向きな姿勢に変わっていった。「『やっちゃったな、明日大丈夫かな』とか思いがちだったけど、『大丈夫、次頑張れ』という言葉を掛けてくれるので、そういう人のおかげで次の日も頑張ろうという気持ちになれている」と胸を張った。
11日の第1戦では3回に安打で出塁し、蝦名の左前打で二塁から一気に生還する好走塁を見せた。石上やサヨナラ打の蝦名とともに、指揮官は「自分の役割、やらないといけないこと、自分がどういうタイプかしっかりわかった中で、必死さを出して、打席でも守備でも塁上でもやってくれています」と成長を認める。15日から始まる阪神との戦いでも、重要な存在となってきそうだ。
(町田利衣 / Rie Machida)