エースに近寄り…指揮官が感じた“命の危機” まさかの拒否にガクブル「演技じゃない」

カーク告白「コイツから三振を奪いたいという顔をしている」
【MLB】Bジェイズ 8ー2 マリナーズ(日本時間17日・シアトル)
エースの矜持をのぞかせた。ブルージェイズは16日(日本時間17日)、敵地で行われたマリナーズとのリーグ優勝決定シリーズ第4戦に勝利。シリーズ成績を2勝2敗とした。先発した41歳のマックス・シャーザー投手が5回2/3を3安打2失点、5奪三振と好投。もっとも、試合中には指揮官に“怒り”を滲ませる場面が大いに話題を集めた。
5-1とリードした5回2死一塁、ジョン・シュナイダー監督はマウンド上の右腕のもとへ向かった。その時だった。シャーザーは目を見開き、シュナイダー監督に大声で言葉を浴びせかける場面が中継映像に映し出された。ともに集まった捕手や内野陣も驚いた様子を浮かべていた。果たして何を言ったのだろうか。
米スポーツ局「MLBネットワーク」のジョン・モロシ記者が試合後のフィールドインタビューの様子を自身のX(旧ツイッター)にて紹介。レハンドロ・カーク捕手は「(シャーザーが)大丈夫だ。投げたいと。どうしても投げたいと」言っていたことを明かし、「(シャーザーは)コイツから三振を奪いたいという顔をしている」と思ったという。結果的にシャーザーはランディ・アロザレーナ外野手を三振に仕留め、ピンチを脱した。
試合後、シュナイダー監督はマウンドビジットの場面について報道陣から「とても勇敢な行為でしたね」と問われると、思わず笑顔を見せた。「1年間この瞬間を待ち望んでいたよ。マックスがマウンドで私に怒鳴りつけることをね。彼はやってくれると、信頼していた。冗談で彼に言ったけど、オフシーズンに(シャーザーと)契約をする前に行ったZoom電話の時から、この瞬間を待ち望んでいたんだ。最高だったよ。彼は素晴らしかったよ」と快投を称えた。
シャーザーの愛称は“マッド・マックス”と言われ、登板中の鬼気迫る様子はナインや監督であろうと恐怖すら感じることでも有名だ。普段は温厚ながらも二重人格とも言われるほど豹変する。シュナイダー監督は“もう1人のシャーザー”が現れ、「素晴らしかった。彼に殺されるかと思ったよ。最高だったね。彼は私を睨みつけていたよ。演技じゃないんだよ。彼はマッド・マックスという人格を持っている。内野陣も笑っていたよ」と振り返った。
一方でシャーザー自身は「状況を整理していたら、突然シュナイド(シュナイダー監督)が登場してきたんだ。不意を突かれたよ。試合がどういう状況か理解をしていたから、続投したいと彼に伝えたんだ。少し違う言い方でね!」と笑顔を浮かべた。やはりマウンドから離れると、いつものシャーザーの姿がそこにあった。