阪神に大敗よりも「残念な場面」 OBが苦言…指摘した2つの不安要素「良くない流れに」

阪神・藤川球児監督【写真:小林靖】
阪神・藤川球児監督【写真:小林靖】

阪神は「あまり引きずらない負け」…野口寿浩氏が解説

 悲観しなくていい敗戦も、2つの不安要素が浮き彫りになった。阪神は26日、みずほPayPayドームで行われたソフトバンクとのSMBC日本シリーズ2025第2戦に1-10で大敗。先発したジョン・デュプランティエ投手が2回途中で7失点KOされると、攻撃陣も初回の1得点に終わった。1勝1敗となり、本拠地・甲子園に戻って仕切り直し。現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は、古巣である阪神の気になる部分を指摘した。

「今日はデュプランティエが悪すぎました。ここまで大差がつくと、阪神サイドから見るとあまり引きずらない負けだと思います。3回以降は1失点でしたし、3番手で投げた伊原(陵人)が使えそうなのはプラス材料。悲観する必要はないでしょう。第1戦を取っているだけに、ただの1敗として深刻に考える必要はありません」

 下半身の張りもあって約2か月半ぶりの公式戦登板となったデュプランティエについては「真っすぐが全く走っていなかった。もっとファウルや空振りが取れる投手ですけど、ことごとく前に飛ばされていた」と説明。予定していたフェニックス・リーグの登板が悪天候で流れ、DeNAとのCSファイナルSも3連勝で終わったことで登板機会が目前で回ってこなかった経緯もあり「ついてない流れもあった」とぶっつけ登板となった部分に同情の余地があったという。

 今後、シリーズがもつれて6、7戦目に突入した際には、再び登板する可能性がある。ただ、第2戦は本調子に程遠い出来で「またデュプランティエを先発で使うとなると勇気がいる。今回のように悪ければ、初回でスパッと代えるべきでしょう」と起用に注文をつけた。

3回の3者三振に不満「物凄く淡白な攻撃に見えました」

 打線は初回に4番・佐藤輝明内野手が2戦連続適時打。先制点を奪ったが、2回以降はゼロ行進が続いた。野口氏が不満を示したのは8点差に広がった直後の3回の攻撃。近本光司外野手、中野拓夢内野手、森下翔太外野手の1~3番が3者連続三振に倒れたシーンを「物凄く淡白な攻撃に見えました」と振り返る。

 大差がつき、相手投手は心理的に余裕が出て思い切り投げ込んでくる。「しょうがない部分はあります。でも、まだ3回なのに、『もう諦めちゃったの?』と感じる内容でした。(相手投手の)上沢が良かったとはいえ、あのシーンはちょっと気になりました。同じ凡打にしても、粘ったり『簡単には終わらないぞ』という姿勢を見せてほしかったです」。

 森下は初球の甘い直球を見逃し、最後は完全に外角に外れたフォークを振って3球三振。「あれはちょっと残念でした」と納得がいかない様子で回顧し「ああいう攻撃があると、その後のシリーズが良くない流れになることがあります」と今後に懸念を示した。

 それでも1勝1敗のイーブンで舞台は甲子園に移る。「甲子園の阪神ファンの応援は凄い。チームにとって重要な戦力です。ただ(3戦目先発が濃厚な)モイネロとの対戦は一筋縄ではいかない。どちらにしても、面白くなっていくと思います」。日本一に向け、投打の不安要素を吹き飛ばせるか。“地の利”を生かして再びリードを奪いたいところだ。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

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