甲子園準V立役者が本職捕手に復帰 「怖い部分はあった」日大三主将、帝京との8強対決へ

センバツ参考の秋季東京大会8強が出揃う
秋季東京都高校野球大会は27、28日で8強をかけた3回戦がスリーボンドスタジアム八王子などで行われ、ベスト8が出揃った。来春のセンバツ大会の重要な参考資料となる今大会。今夏の甲子園に出場した準Vの日大三や関東第一、強豪の帝京などが勝ち進んだ。
日大三は聖パウロ学園を11-3(7回コールド)で下し、準々決勝進出を決めた。4回までに0-3とリードを許す苦しい展開だったが、5回に5点、6回には6点を奪う猛攻で一気に試合をひっくり返した。
今夏の甲子園準優勝の立役者で、新チームから主将を務める田中諒捕手(2年)が、この試合から本格的に捕手として出場。練習はしていたが「1年間やっていなかったので怖い部分はあった」と不安も吐露。「リードしつつ、雰囲気も明るくできたらいいなとずっと考えていた」と話し、公式戦初マスクでチームを牽引した。
田中の捕手起用について三木有造監督は、「もともとキャッチャーとしての素質を持っている。構えている雰囲気もいいし、なんとかしてあげようという気持ちがある。3年生になったタイミングでキャッチャーでいくというイメージはあった」と一学年上には竹中秀明捕手という要がいたため、一塁での出場が続いていたが構想は以前からあったという。
一方、試合については「嫌な雰囲気の中で3点取られたが、ひっくり返せたのが今日の一番の収穫」と三木監督は逆転劇を評価。試合の流れを決定づけたのは、2年生右腕の山口宗也投手だった。4回、2点目を奪われて1死一、三塁のピンチで登板。「練習試合でもよく投げている場面だったので、平常心でしっかり抑えようと思った」とスクイズで1点は失ったものの、次打者を見逃し三振に仕留め、最少失点でしのいだ。
5回の打席では自ら三塁打を放ち、2点を返す投打の活躍。1学年上の兄で、同じく日大三の投手として今夏の甲子園でも活躍した凌我さんからアドバイスを受けていたことも明かした。山口は「お兄ちゃんから学んだスライダーとフォークを投げている」と受け継いだ技術が勝利への原動力となった。
帝京は2者連続弾で逆転、東海大高輪台は二松学舎大付を破る
日大三の次の相手は、都城東を4-3で下した帝京だ。帝京は2-3と1点ビハインドで迎えた8回、起死回生の2者連続本塁打が飛び出した。まず、4番の安藤丈二内野手(2年)が左翼へ同点ソロ。「ストレート狙いだったが引っかかったボール。もう次の打席はないと思って、一発打てて良かった」。続く5番・目代龍之介外野手(1年)も左翼スタンドへ運び、劇的な逆転勝利を収めた。青森・八戸市出身の目代は「普段からチームに迷惑をかけていると感じていた。嬉しくてガッツポーズが出た」と1年生ながら大仕事をやってのけた。
金田優哉監督は「継投のタイミングが勝負だった。先に点を取られて相手の執念もあったが、最後は粘り強く戦えた。勝ち残ったので、1週間しっかり練習して、粘り強く戦いたい」と準々決勝への意気込みを語った。日大三と帝京の対戦は新監督になってからは練習試合ではあるが公式戦では初。金田監督は「相手は甲子園の準優勝チームなので、粘り強く戦います」と、強豪・日大三への対戦に向けて気を引き締めた。
28日は昨秋の優勝校でセンバツに出場した二松学舎大付に、東海大高輪台が強打で打ち勝ち、10-7で勝利。都立では日野が広尾を7-0で下し、ベスト8に名を連ねた。11月1、2日の準々決勝はスリーボンドスタジアム八王子で、8日の準決勝、9日の決勝は神宮球場で行われる。
◇準々決勝のカード
成立学園ー国士舘
帝京ー日大三
関東第一ー東海大高輪台
日野ー桜美林
(Full-Count編集部)