崖っぷち阪神に求められる打線の奮起 機能しない下位打線と“サトテル頼み”

阪神は第1戦を白星で飾るも3連敗、藤川監督「3つ勝つということだけ」
■ソフトバンク 3ー2 阪神(29日・甲子園)
崖っぷちに立たされた虎は“サトテル頼み”を抜け出せるのか? 阪神は29日に甲子園で行われたソフトバンクとのSMBC日本シリーズ2025第4戦に2-3で敗れた。2年ぶり3度目となる日本一に向け、あとは3連勝しか道はなくなった。
この日も打線は沈黙した。3点ビハインドの8回に佐藤輝明内野手が4試合連続となる適時打で1点を返し、続く大山悠輔内野手の二ゴロの間に1点差に迫ったが、ひっくり返す力はなかった。試合後、藤川球児監督は「振り返っても一緒ですからね。3つ勝つということだけなんで。明日、まず1つを取りに行くと。これしかないので」と、短い言葉で決意を口にした。
今シリーズは打線が機能せず、得点圏に走者を進めても、あと1本が出ない状況が続いている。阪神が奪った全4試合の得点を振り返ってみる。
○第1戦 2得点
6回無死二、三塁 森下の遊ゴロ
6回1死三塁 佐藤輝の右翼線適時二塁打
○第2戦 1得点
初回1死二、三塁 佐藤輝の右前適時打
○第3戦 1得点
初回2死一塁 佐藤輝の右翼線適時二塁打
○第4戦 2得点
8回1死一、二塁 佐藤輝の中前適時打
8回1死一、三塁 大山の二ゴロ
1試合2得点が最多で4試合でわずか6得点。本塁打はゼロ。タイムリーで奪った得点は4試合連続で放った佐藤輝だけ。この日は大山にシリーズ初安打が飛び出したが、流れを変えることはできなかった。対するソフトバンクは3試合連続本塁打の山川を筆頭に、近藤、柳町、周東、栗原とポイントゲッターがチャンスで打点を挙げている。
ソフトバンクサイドから見れば無理に佐藤輝と勝負する必要はなく「本塁打以外ならOK」とベンチ、バッテリーは割り切って勝負することができる。阪神は1番から5番を固定できる“強味”はあるが、6番からは日替わりで下位打線に繋がりは見られない。代打陣を見ても一発長打を警戒する打者がいないのが現状だ。
投手陣はジョン・デュプランティエ投手が先発し、大敗を喫した第2戦目以外は先発、リリーフが3点以内に抑え試合を作っているだけに、打線の奮起が求められる。本拠地・甲子園で後がなくなった虎は、史上最速でリーグ優勝を果たした強さを見せつけることができるのか。なりふり構わず目先の1勝をもぎ取るしかない。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)