日本一の鷹からは最多セーブ&最優秀中継ぎ 豪腕ズラリ…パ6球団のブルペン事情

価値高まるリリーフ投手たち…投高打低時代のブルペン事情
投高打低の傾向が強まる中、試合終盤で僅差のリードを守り抜くリリーフ投手の存在価値は、かつてないほど高まっている。1年を通じて登板を重ねた救援陣は、まさにチームの屋台骨であり、勝利を支える要となった。今季のパ・リーグで20試合以上に登板した主なリリーフ投手を球団ごとに紹介する。
日本ハム・田中正義投手がチーム最多の49試合に登板し、12ホールド13セーブ、防御率1.32、奪三振率9.06と自己最高の成績を残した。齋藤友貴哉投手も47試合で14ホールド3セーブ、防御率1.35と安定感を発揮した。玉井大翔投手は40試合で17ホールド1セーブ、防御率2.25。上原健太投手も27試合で13ホールド1セーブ、防御率1.11と好投し、通算900試合登板を達成した宮西尚生投手とともに左のブルペンを支えた。
柳川大晟投手は故障離脱までの37試合で7ホールド11セーブ、防御率1.02、奪三振率10.95。昨季最優秀中継ぎ投手の河野竜生投手は不振に陥ったが、山本拓実投手、生田目翼投手、池田隆英投手に加え、中継ぎ転向の金村尚真投手も層を厚くした。
楽天の西垣雅矢投手はリーグ2位の63試合登板で7勝、防御率1.96、奪三振率9.65と安定。藤平尚真投手も62試合で防御率2.11、奪三振率9.96、21ホールド12セーブと勝ちパターンを担った。西口直人投手は故障を乗り越えて支配下復帰し、52試合で31ホールド、防御率1.07、奪三振率12.43と支配的な投球。加治屋蓮投手は54試合、今野龍太投手は42試合でいずれも防御率3点台と復活を印象づけた。
鈴木翔天投手は46試合で19ホールド5セーブ、防御率2.36、奪三振率11.14と安定。則本昂大投手も56試合で10ホールド16セーブ、防御率3.05と奮闘した。新人の江原雅裕投手は30試合で防御率3.45、渡辺翔太投手や内星龍投手も存在感を示した。
西武は平良&ウィンゲンターがタイトル級の活躍
西武のクローザー、平良海馬投手は防御率1.71、奪三振率9.06でリーグトップタイの31セーブを挙げ、初の最多セーブを獲得。トレイ・ウィンゲンター投手も49試合で31ホールド、防御率1.74、奪三振率13.31という内容だった。
山田陽翔投手は49試合で17ホールド、防御率2.08と飛躍。羽田慎之介投手も24試合で防御率2.95、奪三振率10.55と成長を見せた。甲斐野央投手は47試合で33ホールド、防御率2.47と勝ちパターンを支えた。黒木優太投手は29試合、防御率3.38で安定。中村祐太投手とともに夏場のブルペンを支えた。新加入のラミレス投手も27試合で防御率1.01、奪三振率9.45と抜群の内容だった。
ロッテは中森俊介投手が25試合、防御率1.23で前半戦を支えたが故障で離脱。鈴木昭汰投手、菊地吏玖投手、益田直也投手も調子を崩し、後半戦は苦戦を強いられた。横山陸人投手はチーム最多の50試合登板で防御率2.08、20ホールド12セーブと奮闘。高野脩汰投手も37試合で防御率1.84、奪三振率10.23とセットアッパーとして抜群の安定感を示した。小野郁投手は47試合で防御率2.59、奪三振率8.86と復活。木村優人投手は6月8日時点で防御率2.75と好投し、その後先発転向で新境地を開いた。
オリックスのアンドレス・マチャド投手は58試合で9ホールド28セーブ、防御率2.28、奪三振率11.06と安定し、クローザーとして存在感を示した。ルイス・ペルドモ投手も50試合で33ホールドとチームを救った。岩嵜翔投手はトレード加入後の37試合で16ホールド、防御率2.12、奪三振率9.00と復活。才木海翔投手も38試合で11ホールド4セーブ、防御率1.87、奪三振率9.62とうブレークした。
山岡泰輔投手は41試合で13ホールド、防御率4.25ながら奪三振率8.00、K/BB4.00と指標は優秀。川瀬堅斗投手、高島泰都投手、片山楽生投手ら若手の台頭も光った。
ソフトバンク 杉山が最多セーブ獲得、藤井・松本と鉄壁リレー
ソフトバンクの杉山一樹投手がリーグトップの65試合で防御率1.82、奪三振率11.89を記録。シーズン途中から抑えを務め、31セーブで初の最多セーブに輝いた。松本裕樹投手は51試合で防御率1.07、奪三振率9.95と安定。44ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手賞を受賞した。藤井皓哉投手も51試合、防御率1.44、奪三振率13.50と高水準の数字を残し、3人で鉄壁の勝ちパターンを形成した。
津森宥紀投手とヘルナンデス投手は防御率3点台。松本晴投手は先発転向前まで12試合連続無失点、大山凌投手も26試合で防御率2.35と成長を示した。
長いシーズンで多くの試合に登板するリリーフ投手にとって、翌年も好調を維持することは容易ではない。疲労や消耗と戦いながらも、彼らが再びブルペンで光る姿を見せられるかが来季の注目点である。各チームのリリーフ陣は、今後も試合終盤の勝負どころでチームを勝利に導く投球を続けられるか。その挑戦に期待したい。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)