DeNAが“隠していた”ドラ4左腕 27歳遅咲きも密着5年超「いかに他球団にバレないか」

DeNA4位の片山は社会人5年目の27歳「時間は掛かっちゃいましたけど」
DeNAからドラフト4位指名されたHondaの片山皓心(ひろみ)投手が1日、埼玉県狭山市内で長谷川竜也編成部長らから指名挨拶を受けた。今年のドラフト会議で指名された116人(育成含む)の中で最年長となる27歳。社会人入り後に2度左肘を手術し、指名漏れも乗り越えてようやく“縁”がつながった。
「ちょっと時間は掛かっちゃいましたけど、年齢は数字だと思っていますので、同じ1年目の人たちに負けないように、同じ土俵からスタートするので、年齢は言い訳にせず頑張っていきたいと思います」。落ち着いた表情で、片山が所信表明した。ついにたどり着いたプロへの入口。思いもひとしおだった。
桐蔭横浜大時代はプロ志望届を出さずHondaへ入社。1年目から、順調に行けば解禁イヤーとなる翌年は“ドラ1級”と目されるほど高いポテンシャルが注目されていた。しかし12月に左肘を手術。2024年5月には再び同箇所にメスを入れた。「2回目の手術のときは正直落ち込んだ。ちょっとプロっていうよりは、もう一回マウンドに戻るんだっていう気持ちの時期はありました」と明かすように、目標が遠ざかった時期もあった。
それでも同年に実戦復帰すると「マウンドに上がればやっぱり、次はもっと上のレベルでやりたいと思えたのでもう一回プロに挑戦したい」と再び気持ちは燃えた。昨年は指名漏れとなったが「怪我から復帰することが一番大きな目標だったので、そんなに落ち込むとかはなかったです。2025年シーズンはエースになることをテーマにして、その中でプロに進めればいいという気持ちで野球に向き合ってきました」。言葉通りの道筋を進んでみせた。
長谷川編成部長「先発として勝てる投手。まだまだ伸びしろもある」
長谷川編成部長は「投げられさえすれば、っていう投手だったので。ずっと見てきて追いかけてきて、春先のスポニチ大会で見て『もう間違いないな』ってなったときからは、いかに他球団に僕らが評価しているかをバレないようにしようという1年でした。大学のときから、社会人1年目も怪我したときも、そこで頑張っている姿も、昨年やっと復活したときも、足掛け5年とか球団として見てきました」と明かす。
回り道に見えるかもしれないが、この期間があったからこそDeNAとの赤い糸がつながったともいえる。長谷川編成部長も「我々もずっと見守ってきた中で縁があったのかな。それはありがたいなとすごく思います」と頬を緩め、「先発として勝てるピッチャーだと思っています。まだまだ伸びしろもある選手」と大きな期待を寄せた。
「まず怪我なく1年間やることと、1軍で投げてこそプロ野球選手だと思いますので1軍で登板するってことはこだわってやっていきたいと思ってます」と片山。貴重な左の先発として、オールドルーキーの挑戦が始まる。
(町田利衣 / Rie Machida)