能見篤史らレジェンドが始球式に連日登板 50回目を迎えた社会人野球日本選手権大会

開幕カードは4大会連続出場の東京ガスがマツゲン箕島硬式野球部を破る
「第50回社会人野球日本選手権大会」が10月28日(火)に開幕。京セラドームにて、社会人野球の最高峰といえる大会が行われている。「補強選手制度」のある都市対抗野球大会に対し、「単独チームで日本一を競う大会を」との声に応えて誕生したこの大会。もともと産業別で行われていた「日本産業対抗野球大会」をリニューアルし、1974年に阪神甲子園球場で第1回大会が行われた。
その後は大阪球場(大阪スタヂアム)、グリーンスタジアム神戸(現・ほっともっとフィールド神戸)へと舞台を移し、1997年から大阪ドーム(現・京セラドーム大阪)にて開催されている。かつては地区予選を勝ち抜いたチームによる大会だったが、現在は都市対抗野球大会と全日本クラブ野球選手権大会の各優勝チーム、対象JABA11大会の各優勝チーム、予選を勝ち抜いたチームの計32チームが出場。社会人野球の「年間王座決定戦」に位置付けられている。
過去には、現在パ・リーグに所属する選手も存在感を発揮した。2018年の大会で河野竜生投手(当時・JFE西日本)が敢闘賞を獲得。坂本光士郎投手(当時・新日鉄住金広畑)、柘植世那捕手(当時・Honda鈴鹿)も優秀選手に輝いている。翌2019年には、小深田大翔内野手が大阪ガスの初優勝に貢献しており、Honda鈴鹿との1回戦では瀧中瞭太投手との対戦も実現していた。
節目の第50回大会の開幕カードは、4大会連続出場の東京ガスと、「全日本クラブ野球選手権大会」2連覇を果たしたマツゲン箕島硬式野球部の一戦。スタンドでは、社会人野球の魅力の一つである一体感のある応援も行われた。一塁側の東京ガスでは、吹奏楽団による軽やかな演奏に合わせ、応援団員やチアリーダーが先導。一方の三塁側も、観客がチームカラーの赤色を身に着け、スティックバルーンをたたきながらマツゲン箕島硬式野球部を後押しする。
試合は、初回2死満塁のピンチを無失点で切り抜けたマツゲン箕島硬式野球部が、その裏に3番・白滝恵汰内野手の適時二塁打で先制する。しかし、直後の2回に東京ガスの1番・中尾勇介外野手が適時打を放ち、すぐさま同点に追い付いた。6回には、昨年までオリックスでプレーした中田惟斗投手(マツゲン箕島硬式野球部)が登板。1死一、二塁のピンチを2者連続三振でしのいだが、2イニング目の7回に2四球を与えて降板。その後、2死から東京ガス打線に3本の適時打が生まれ、スコアは5-1に。8回にマツゲン箕島硬式野球部が1点を返すも、リードを守り切った東京ガスが1回戦を突破した。
28日の第3試合前には、2003年に大阪ガスで敢闘賞を獲得した阪神・オリックスOBの能見篤史氏が始球式に登板。29日は日本生命出身、日米で活躍した福留孝介氏、30日は松下電器(現パナソニック)でエースとして第1回大会に出場した元阪急(現オリックス)の山口高志氏がマウンドに上がり、渾身の1球で選手たちにエールを送った。強豪たちが一堂に会し、全力プレーを繰り広げる社会人野球日本選手権大会。ぜひ京セラドーム大阪で、その熱気を体感してほしい。
(「パ・リーグインサイト」高橋優奈)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)