エ軍が抱えるトラウトの“呪縛” 34歳で残る288億円…「知名度だけ」では脱出困難

34歳、エンゼルスとの契約は残り5年
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の頂上決戦から3年近くが経ち、かつてのスーパースターは苦境に立たされている。エンゼルスのマイク・トラウト外野手は近年、故障と成績不振が目立つ。現実的にエンゼルスにとどまり続ける以外の道はなく、米メディアはその状況を「トレード不可能な契約」としてメジャー2位に位置づけた。
シーズンMVPが3度、シルバースラッガー賞は9度と、2010年代を代表する打者だったトラウト。2023年のWBC決勝では、当時同僚だった大谷翔平投手(現ドジャース)とともに日米それぞれの旗手として入場し、最終回の大谷との対決は名場面として語り草となっている。
しかし、ここ数年は怪我で出場機会を減らしており、WBC直後の2023年は82試合の出場だった。大谷がチームを去った2024年はわずか29試合の出場に終わった。
米スポーツ専門メディア「ブリーチャー・レポート」は8日(日本時間10日)に「MLBで最もトレード不可能な契約トップ10」と題した記事を公開。1位はパドレスと11年の長期契約を結んだザンダー・ボガーツ内野手だったが、トラウトは2位に入った。
トラウトは全盛期だった2019年の開幕前、エンゼルスと12年総額4億3200万ドル(約497億6600万円)の大型契約を結んだ。2026年以降も5年、1億8560万ドル(約288億6500万円)が残されている。同記事は「もしエンゼルスが契約残額の相当部分を負担したとしても、マイク・トラウトの知名度だけで、他球団がトレードに踏み切るだろうか?」と指摘し、トレードされる可能性は低いと予想する。
チーム一筋という立場に加えて、トラウトがノートレード条項を持っていることを理由に挙げる。「そもそも10年連続の負け越しシーズンを経験してなお、現時点で彼は優勝争いできる球団へのトレードを要求していないのだから、彼が近いうちに球団にトレードを要求するとは考えにくい」とした。
トラウトは今季、130試合に出場し、打率.232、26本塁打64打点。3年ぶりに100試合を超えたが、DHの起用が中心となり、外野守備に就いたのはわずか22試合だった。同記事は「結果として、3710万ドル(約57億7000万円)の年俸に対して、WAR1.5だった」とコスパの悪さに言及。「現時点では、年俸額があまりにも高く、残りの契約年数も長すぎるため、他球団がトラウトを現実的なトレードターゲットとして見ることは難しいだろう」と結んだ。
かつてメジャー最強コンビと呼ばれた大谷とは対照的な2年間を過ごしたトラウト。来季で35歳となるスーパースターは今後もエンゼルスに残ることが予想されているが、低迷が続くチームで2014年以来のポストシーズンを、もう1度戦うことはできるだろうか。
(Full-Count編集部)