元MVPも…残された145億円を米酷評 首位打者3度の栄光、トレードできぬ過酷な現実

アストロズのホセ・アルトゥーベ【写真:ロイター】
アストロズのホセ・アルトゥーベ【写真:ロイター】

アストロズで2度のワールドチャンピオンに貢献

 チーム一筋で“小さな巨人”と呼ばれた大打者に、不良債権化の批判が起き始めている。アストロズのホセ・アルトゥーベ外野手は今季、打撃成績ではまずまずの結果を残したが、守備力の低下が致命的になってきた。米メディアは「賛否が分かれる殿堂入り候補の1人として引退していく」と辛辣に評価した。

 35歳のアルトゥーベは身長168センチと小柄だが、パンチ力を兼ね備え、3度の首位打者と2度の盗塁王を獲得。2014年からは4年連続で200安打をマークした。2017年にはMVPに選ばれ、ワールドシリーズ制覇に貢献。2022年にも再びワールドシリーズ制覇を果たしたチーム一筋の看板打者として活躍してきた。

 今季は打率.265、26本塁打、77打点、OPS.771とまずまずの成績を残した。それでも米スポーツ専門メディア「ブリーチャー・レポート」は「MLBで最もトレード不可能な契約」として、アルトゥーベを4位に位置づけた。

 その理由として、守備力の低下を挙げた。アルトゥーベはこれまで二塁を守ってきたが、守備防御点「DRS」は年々悪化。今季は左翼でも起用されたが二塁で「-8」、左翼で「-10」と両方で低調だった。守備の悪さに足を引っ張られ、勝利貢献度を示す指標「WAR」は米データサイト「ベースボール・リファレンス」版で「0.5」にとどまった。同メディアは「ひどい守備指標により、彼の守備WAR(-2.2)は全選手中ワースト2位の数字だった」と指摘した。

 その一方で、4年9200万ドル(約144億7400万円)の契約が残る。高額年俸とパフォーマンスの低下から、同メディアは「仮にアストロズが再建に入り彼がトレード市場に出されたとしても、他球団が関心を示す可能性はかなり低いだろう」と酷評。「最も可能性が高いシナリオは、彼が現在の契約をアストロズで全うし、近年の記憶の中でも特に賛否が分かれる殿堂入り候補の1人として引退していくことだ」と厳しい表現で締めくくった。

 同記事のランキングでは、3位にクリス・ブライアント内野手(ロッキーズ)、2位にマイク・トラウト外野手(エンゼルス)、1位にザンダー・ボガーツ内野手(パドレス)が入った。

(Full-Count編集部)

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