NPBには「ドラ1でも行かない」から1年…森井翔太郎の“現在地”「完全に慣れた」

小学生時代に出場したMLBカップにプロ野球選手として“凱旋”
アスレチックス傘下に所属する森井翔太郎内野手が22日、滋賀・マイネットスタジアム皇子山で行われたMLBカップの開会式に参加した。昨秋はNPB入りをすることなく、米国に挑戦。「いろいろ課題はありましたけど、通用しない感じではない」。大人びた18歳が、1年を振り返った。
森井は高校通算45本塁打、投げても153キロの剛速球を誇る二刀流で、昨年のドラフトでは上位指名の可能性もあった。しかし高卒からメジャーを目指し、「ドラフト1位でも行かないと思う」とNPB入りはしない意向を表明。アスレチックスとマイナー契約を結んだ。
今季は1Aより下にあたるルーキーリーグでプレー。7月まで行われたコンプレックスリーグでは、野手としては43試合に出場して打率.258、3本塁打24打点、OPS.783をマーク。春先に肘を痛めたため野手に専念していたが、育成に重点が置かれた秋季リーグでは投手としても出場。1週間ごとに1~2イニングで、途中では野手もこなしながら、計8試合に投げたことを明かした。
シーズンを終えて帰国し、初めて公の場に登場した森井は、「結果としては満足いくシーズンではないですけど、全体を通して満足できるかなっていうシーズンで。来年につながるような感じだったかなと思います」と手ごたえを口にする。
「ピッチャーも(7月までの)シーズンではできなかったので。そこの悔いは一つ残りますし、打撃でも3割打つとか、ホームランももっと打てたらなと」。投球については「いろいろ課題はありましたけど、通用しない感じではない」と話した。
落ち着いた口ぶり、まだ18歳とは思えない佇まいの森井は、二刀流調整の難しさについて、「やっぱりどれだけ疲れをとれるか。そこは野球以外のことを全部そぎ落とすくらいの感覚じゃないとできないなと」と冷静に分析した。
偏差値71の進学校、桐朋高出身の森井は、英語力もみるみる上昇。母・純子さんのサポートもあり、「(生活には)完全に慣れたと自分としては思っているので、野球以外のところは問題ないなと。(課題は)結果ですね。打席の方はもう少し結果を残せたら」と話した。来季は開幕から二刀流でプレーする見込み。着実に、ステップを踏んでいく。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)