大谷翔平の死球は「とても誇らしい」 パ軍メディア持論…消えた“挨拶”にチクリ

死球騒動を蒸し返し、両軍の地元メディアが火花
6月に起きたパドレスによるドジャースの大谷翔平投手への死球騒動が、ワールドシリーズも終わりシーズンオフに再燃している。地元スポーツ局「スポーツネット・ロサンゼルス」出演者が“忘れられないシーン”として挙げたことに、サンディエゴのラジオ局「97.3FM The FAN」の番組関係者が不満を表明。大谷への死球は「敬意」だと持論を展開した。
6月にドジャースタジアムで行われたドジャースとパドレスの対戦カードでは、両軍で死球が相次ぐ荒れた展開となった。6月19日(日本時間20日)の試合で、大谷はロベルト・スアレス投手から右肩付近に99.8マイル(約161キロ)の死球を受けた。「スポーツネット・ロサンゼルス」実況のスティーブン・ネルソン氏はポストシーズン終了後、米スポーツ局「ESPN LA」に出演した際、この死球によって大谷がパドレス側に挨拶をしなくなったことに言及した。
これに反発したのが、サンディエゴのラジオ局「97.3FM The FAN」の人気スポーツ番組「Ben and Woods」だった。司会のベン・ヒギンズ氏はスアレスによる大谷への死球について「故意に投げたとも思っています」と明言。その上で「だが彼には、相手チームの中の最高の選手としての敬意が示された」「ああいう風にスーパースターに死球をあてるのは、野球における究極の敬意なんです」と持論を展開した。パドレスのフェルナンド・タティスJr.外野手に対する内角球も「彼が危険な打者だから」とし、その実力を認めて「敬意を持っているから」の対応だと語った。
共演者のスティーブ・ウッズ氏も、スアレスから大谷への死球は「チームメートを守るため」と強調。タティスJr.にあまりにも多くの死球が当てられていたとして、その報復として「最高の選手であっても、野球そのものより上ではない」と主張した。さらに、挨拶をしなくなった大谷の態度について「そんな大事にすることか? グラウンドで勝負すればいい」と一蹴した。
またウッズ氏は報復死球という行為について「これは100年も続いていること。相手がうちの選手を狙うなら、こっちだってそっちの選手を狙うということだ」と言い放ち、スアレスの行動を「とても誇らしく思った」と評価した。
パドレス側からのこうした発言は、死球の是非や選手間の敬意をめぐる認識の違いを浮き彫りにしている。スーパースター同士の応酬においても、このような行為を「野球の伝統」として容認すべきかどうかは、今後も議論を呼びそうだ。
(Full-Count編集部)