走塁の打球判断でなぜミスが出る? イチロー氏が実演…失敗を防ぐ“姿勢と重心”

イチロー氏が九州国際大付ナインを指導…走塁で授けた金言の数々
マリナーズで会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏が11月24、25の両日、福岡・九州国際大付高野球部を指導した。左太もも裏に肉離れを起こした影響でランニングメニューなどは回避したが、キャッチボールや打撃を実演するなど精力的に選手と向き合った。走塁に関しても姿勢や走り方などについて“金言”を授けた。
投げる、捕る、打つだけではなく、走塁に関しても時間をかけて選手にアドバイスを送った。初日の24日、重心を下げてリードを取る重要性を説いた。「(上体が)浮いて(打球)判断したり、右足に重心をかけて判断したりすると、自分が判断したものと逆の場合は戻れない。重心を下げてできるだけ止まって判断する」と語りかけた。
二塁走者で三塁を蹴って一気にホームを狙う場合は「最短距離で行こうとしてスピードを落としてほしくない。スピードに乗ることが大前提。最短距離で行こうとする時にステップ、歩幅を合わせるよね。とにかく(それよりも)減速しないことが原則」と強調する。
無死や一死の場合は、塁上で打球判断を急ぎ過ぎないことも重要で「僕も動いていた時期があった。判断が難しい。どれだけ経験しても簡単にならない。ダッグアウトから(打球を)見ていたらなんで簡単なんだろうと考えて、今の形になった」と説明した。
翌25日は姿勢に言及。「股関節を割るとこうなる」とし、重心を下げてリードの姿勢を取った。「その形を保ったまま股関節で押せば一歩が大きくなる。このリードをするようになって、MLBで第2リードが最も大きな選手になった」と振り返り、「ポイントは守備も(走塁の)打球判断もこの形だから。スクワットをやっているような体勢だから」と訴えた。
走り方についても触れ「手は後ろに振る。前に振っては前傾姿勢を保てない。後ろに振れば(前傾姿勢を)保てる。膝を上げない。膝は前に刺さっていく。ストライドも伸びる」と解説。「アウトエッジ(足の外側)を真っすぐにする。内股に見えるのはそういう理由です。肩幅のラインでエネルギーを溜め込んでいく。そのために骨盤を前に出す。エネルギーをロスしないようにすれば速く走れます。自分の動きには理由がある。野球の技術にも生かせる」と述べた。
日米通算708盗塁を記録するなど、走塁面でも圧倒的な成績を残したレジェンドからの金言の数々。九州国際大付ナインにとってはあまりに濃密な2日間だった。
(First-Pitch編集部)
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