データで見る山本由伸の進化 全球種が“魔球”に…驚異の「.266→.194」が示す成長の証

ドジャース・山本由伸【写真:荒川祐史】
ドジャース・山本由伸【写真:荒川祐史】

フォーシーム、スプリット、カーブなど全球種の精度アップ

 ドジャース・山本由伸投手は今季ワールドシリーズMVPに輝くフル回転を見せ、チームの世界一連覇に貢献した。レギュラーシーズンではチーム唯一先発ローテを守り、30登板で12勝8敗、防御率2.49。サイ・ヤング賞で3位に入った。MLB公式サイトの「ベースボール・サヴァント」で2年目の進化を紐解いた。

 山本が操るのはフォーシーム、スプリット、カーブ、カットボール、シンカー、スライダーの6球種。被打率.183はメジャートップだったが、特筆すべきは全ての球種の被打率を向上させていることだ。特に主要の3球種は驚異的。フォーシームは被打率.266から.194、スプリットは被打率.170→.146、カーブは被打率.214→.195に。この3球種はいずれも空振り率も上げ、“魔球レベル”となっている。

 9月は4試合に先発し、防御率0.67、被打率.081、WHIP0.67とメジャー1位を記録し、2度目の月間MVPを受賞。ポストシーズンでは6登板で5勝1敗、防御率1.45とチームを牽引した。9、10月のフォーシーム平均球速は96.3マイル、96.2マイル(約155.0キロ、154.8キロ)を記録。平均96マイル台を記録したのはシーズン終盤のこの2か月だけで、まさにバテ知らずだった。

 フォーシーム平均球速は95.4マイル(約153.5キロ)。昨季から平均0.1マイル下げたが、注目すべきはカーブの平均球速。78.0マイル(約125.5キロ)から76.8マイル(約123.6キロ)と約2キロ遅くなった。この2球種の平均球速差は29.9キロ。打者目線で言えば、より緩急差が広がり、嫌なイメージを持つのではないか。

 3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参戦するか注目される。万全で来シーズンに臨むなら、どこまで数字を伸ばすのか。3年目はいよいよ日本人初のサイ・ヤング賞の期待がかかる。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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