否定した移籍の選択肢「想像できない」…貫くロッテ愛、40歳でも諦めない“可能性”

荻野貴司、都内イベントに参加…現状と今後の動きに言及
今季限りでロッテを退団し、現役続行を目指している荻野貴司外野手が、NPB他球団への移籍を否定した。トップアスリートの競技力向上から幼児の運動遊びまでをサポートする、屋内スポーツ複合型施設「SPONOBA(スポノバ)」のオープニング記念イベントが5日、東京都墨田区で行われ、荻野と元巨人監督の高橋由伸氏が参加。イベント後に取材に応じた荻野は、今後の動きについて言及した。
「まだ何も決まっていないので、詳しいことは言えない。今は(移籍先の)チームを探しているところです」。海外も選択肢に入るのかを問われると「そうですね」と答え「今、聞いているところ。まだ答えはもらっていない」と状況を説明した。
報道陣からの「できればNPBの球団を考えているか」という質問には「いえ、NPBという思いはない」と否定。「新しい経験として、どこかでできればなと思います。海外に行ってみたいなという思いはあります」。海の向こうに新天地を求めることが選択肢として浮上していることを明かした。
11月に取材に応じた際も「もう少し現役をやりたいという気持ちがある。もうちょっとやり切りたい。ここからが本当の自分を試されるような気がします。お世話になった球団には凄く感謝しています」と話していた荻野。ロッテ一筋で16年間プレーした40歳は、球団とファンへの感謝の思いが人一倍強い。

米国や韓国、台湾のリーグ移籍を模索か
親しい関係者には「国内ではロッテ以外でプレーする姿が想像できない」と漏らしており、海外挑戦の意向は“ロッテ愛”の裏返しと言える。この日も「球団には感謝の気持ちでいっぱい」と強調し、ロッテファンに向けても「怪我が多いにもかかわらず、どんな時も応援してもらった。最後にマリンで野球をしている姿を見せられなかったのは申し訳なかったなと思います」と、変わらぬ思いを口にした。
NPB他球団の編成担当には、現時点では国内移籍の意思が薄いということが伝わっているとの情報もある。詳細は明かさなかったものの、荻野は米国や韓国、台湾のリーグで現役を模索している可能性が高い。
この日のイベントに登場したトレーナーの木村匡宏氏には、2019年から指導を受けており、2021年には最多安打と盗塁王を獲得。「30歳を過ぎてから新しいことに挑戦して、そこから成長できた。もう40歳ですけど、まだ何か成長できるところがあるのかなと思います」。向上心も闘志もまだまだ衰えていない。
プロ通算1146試合に出場して1143安打、260盗塁、打率.283を記録したスピードスターは、期限を設定せずにオファーを待つ構え。「現役でプレーすることにこだわりたい」。“古巣”への深い愛情を抱いたまま、新たな道を探っていく。
(尾辻剛 / Go Otsuji)