「韓国の大谷翔平」が“捨てた”二刀流 手術、兵役、不振…24歳が痛感した壁

韓国代表【写真:小林靖】
韓国代表【写真:小林靖】

アン・インサンはKTからNCへ11月に移籍

 かつて「韓国の大谷翔平」と将来が期待された男が、苦難の道を歩んでいる。先月11月、韓国プロ野球(KBO)は「2次ドラフト」(NPBの現役ドラフトに近い制度)が行われ、NCダイノスのアン・インサン野手はKTウィズへ移籍することになった。韓国メディア「OSEN」によると、投手の道は諦め、打者として開花の時を目指すという。

 2001年生まれのアン・インサンは高校時代、150キロの快速球とパワーを武器に“第2の大谷”と称された大器。U18ワールドカップの韓国代表にも選ばれ、2020年ドラフトでNC入りした。しかし、2度のトミー・ジョン手術や兵役などで結果を残せず。投打ともに出場機会すらほぼないまま、5年の歳月が流れ、今季は1軍でわずか4試合(6打数無安打)に終わった。

 それでも、KTは譲渡金4億ウォン(約4400万円)を投じて獲得した。「OSEN」によると、アン・インサンは2軍戦48試合で打率.322、10本塁打をマークしたことが球団関係者の目に留まったという。また同メディアによると、アン・インサンは投手への未練について聞かれ、「それはもう、あえて“全くない”と言い切ります」。中途半端な二刀流への憧れは捨てたことを話したと伝えている。

 すでに目標は「1軍での40本塁打以上」に切り替え、来季に向けて始動している元逸材。一方でまた一人、二刀流の道を諦めた選手が生まれたことで、改めて大谷という存在がいかに特別で、歴史的にもあり得ないことを成し遂げているかを痛感する。

(Full-Count編集部)

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