ド軍加入の噂も…「可能性は極めて低い」 506億円“最強遊撃手”の移籍を阻む壁

レンジャーズのコーリー・シーガー【写真:ロイター】
レンジャーズのコーリー・シーガー【写真:ロイター】

コーリー・シーガーに飛び交うトレード説

 球界屈指の遊撃手はトレードの目玉となるのか。レンジャーズのコーリー・シーガー内野手の去就に、米球界が熱視線を注いでいる。ワールドシリーズ連覇を達成したドジャースもトレードで獲得に動くとの噂も飛び交う中、米スポーツ専門メディア「ブリーチャー・レポート」が移籍実現の可能性を分析した。

 シーガーは2012年ドラフト1巡目(全体18位)でドジャースに入団。2016年に新人王とシルバースラッガー賞に輝くと、2020年はリーグ優勝決定シリーズとワールドシリーズでダブルMVPに輝き、世界一に貢献した。2021年オフにはFAとなってレンジャーズと10年総額3億2500万ドル(約506億円)の大型契約を結んでいる。今季は故障で102試合出場に終わったが、21本塁打、OPS.860をマーク。記録サイト「ベースボール・リファレンス」の勝利貢献度WAR6.2を残した。

 一方、2023年にワールドチャンピオンになったレンジャーズだが、ここ2年間は地区3位にとどまっており、年俸総額の削減を検討していると一部の米メディアが分析。シーガーがトレードの候補に上がっているとの見方が浮上している。

 この噂について「ブリーチャー・レポート」のケリー・ミラー記者は12日(日本時間13日)の記事で「球団が本気でトレードしたいと感じられたことは一度もない」と断じた。「ダラス・モーニング・ニュース」のエバン・グラント記者からの情報として、レッドソックス、ブレーブス、ヤンキースがシーガーについて問い合わせを行ったものの、実質的な話し合いには発展していないという。

 やはりネックとなるのは、その巨大な契約と対価だ。米スポーツ局「ESPN」のジェフ・パッサン記者は、レンジャーズは「話は聞く姿勢」にあるとしつつも、契約に残る1億8600万ドル(約290億円)を整理したいわけではないと強調。「(対価は)レンジャーズが度肝を抜かれるほどでなければならない」と、獲得には天文学的な条件が必要であることを示唆した。

 これらの情報から、ミラー記者は「トレードされる可能性が低い選手についても、常に憶測を飛ばさなければならない義務があるかのようだ」と、過熱する報道合戦に呆れ気味だ。遊撃手の補強を目指すならば、ブルージェイズからFAとなったボー・ビシェット内野手がいると指摘。シーガーより4歳近く若く、トレードで有望な若手を手放す必要がない点をメリットに挙げた。

 同記事では「シーガーがトレードされる可能性がゼロだと言っているわけではないが、その可能性は極めて低そうだ」と締めくくっている。もしもドジャースが獲得に動くようなことがあれば恐ろしい内野陣が形成されるが、現実的には極めて厳しそうだ。

(Full-Count編集部)

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