前田健太が取り戻した“ハングリー精神” 37歳でマイナー生活も…「良かった」と言えるワケ

今季は5月にタイガースを退団後3Aでプレー、メジャー復帰果たせず
楽天に加入した前田健太投手が16日、楽天モバイルパークで入団会見を行った。今季は5月にタイガースを退団し、カブス傘下やヤンキース傘下の3Aでプレーしたが、メジャー復帰を果たせなかった。しかしそんなマイナー暮らしの悔しさを経験したことを「すごく良かったんじゃないかとなと思います」と穏やかな表情で回顧した。
「この年齢になって、もう一度ハングリー精神的なものを味わえた。やっぱり悔しいと思える自分がいたので。同じような経験はしたくないという気持ちを持ちながらこのオフも過ごせますし、来年以降も過ごせるので。そのあたりはいい経験になったと来年以降、言えるようにしたいなとは思っています」
メンタル面だけではない。マイナーリーグの先発は中4日や中5日で回るのが基本。「僕も年齢のことを言われますけど、ずっと今年、5月から中4日と中5日でローテーションを守ってきたので、そういう意味では来年以降先発をするところでの土台はしっかりと築けたと思います」と胸を張る。来年4月に38歳となるが、シーズンを通して投げ続けることへの不安はない。
2015年オフに海を渡り、10年もの月日が経った。日本球界のことは動画などで頻繁にチェック。「投げてみないとわからないですけど、圧倒的に僕がいた10年前よりはレベルが上がっていると思います」と話す。投手に関しては160キロを投げる投手も珍しくなくなった。
それでも前田自身、米国で219試合に登板し、68勝6セーブ9ホールドを積み重ねてきた自負がある。「日本の野球だけじゃなくて、僕自身もトータル的にいろいろ経験しながらピッチャーとしてレベルアップできているのかなと思うので、そこに関しては“どちらかだけ”ではないのかな」と力を込めた。
「最近4位が続いているので、なんとかクライマックスシリーズ(3位以上)と思うファンや選手もいるかもしれないですけど、僕は優勝できると思っていますし、日本一になれると思っているので。目標は日本一、それだけです」と掲げたマエケン。2013年以来の頂点へ、その先頭に立つ。
(町田利衣 / Rie Machida)