DeNA若手は「準備怠る選手多い」 最多勝左腕が指摘した現状「気付いたら野球人生終わるよ」

契約更改後、会見に出席したDeNA・東克樹【写真:町田利衣】
契約更改後、会見に出席したDeNA・東克樹【写真:町田利衣】

DeNA東は9000万円アップの年俸3億円で契約を更改

 DeNAの東克樹投手が18日、横浜市内の球団事務所で契約更改交渉に望み、9000万円アップの年俸3億円(金額は推定)で契約を更改した。3年連続2桁勝利とエースとして牽引する左腕は、チームがリーグ優勝するために必要なことを問われると「若手の底上げじゃないかなと思いますね」とキッパリ。そこには厳しくも温かい思いがあった。

「もっと若手が貪欲に、野球がうまくなりたい、成長したいっていうことを考えながら1日1日を過ごすせば、能力のある選手はいっぱいいますし、ただあとピースがひとつ足りないから毎年優勝を逃してる。戦力自体は強いと思いますし、そのピースで僕が大事かなと思うのは若手の成長かなと思いますね」

 自身が若手時代、同じ左腕の今永昇太投手(現カブス)の背中を追いかけ、疑問があればすぐに質問して吸収しようと必死だった。今の若手に「貪欲になってほしいですね」と願うのは当然のことだ。一方で、自ら積極的に行動に移すつもりはない。そこにはしっかりした理由がある。

「聞いてきた人にはちゃんと答えますけど、別に聞きに来なければ特に教えることもないです。正直チームスポーツですけど、個人スポーツでもあるので、そのポジションを奪い取るためにはどうしたらいいかとか、そういったことも考えながら日々過ごさないと。何でもかんでも教えてもらったことをやるといった甘い世界ではないので、自分がどれだけ貪欲になって欲しがってそのポジションを奪い取るかというところだと思うので、僕から行動を移すことはないですね」

 先発投手は、遠征に同行しない場合は2軍施設で残留練習に参加する。そこではファームの若手と汗を流すことも多かった。「準備を怠る選手が非常に多い。携帯を触りながらダラダラとストレッチをちょっとして全体練習に行くとか。本当にひとつ言えるのは、もう気付いたら野球人生終わってるよっていうことは、いかにそれを早く自覚するかどうかかなと思います。準備をやれよとは僕は言わないので、わざわざそういった選手に頑張ってほしくもないですし」と強い言葉で危機感を示した。

 プロ8年目の今季、24試合に登板して14勝8敗、防御率2.19の成績を残し、2年ぶりに最多勝利のタイトルを獲得した。常々「3年やって一人前」と言い続け、有言実行した。「僕としては個人というよりもチームのリーグ優勝が一番の目標」と東。叶えるためにも、一人でも多く若手が飛躍することを望んでいる。

(町田利衣 / Rie Machida)

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