電撃放出の裏で入っていた亀裂 世界一から2年で崩壊…暴露された“不仲”「軋轢があった」

セミエンは今オフメッツへトレード
今オフ、レンジャーズのマーカス・セミエン内野手がメッツにトレードされた。米ニューヨーク・ポスト紙のジョン・ヘイマン記者は、セミエンと同僚だったコーリー・シーガー内野手の間に確執があったことを明かし、今回のトレードがシーガーの残留を意味するとの見解を示した。
ヘイマン記者は米メディア「ニューヨーク・ポスト」のゲスト出演で衝撃的な内幕を暴露した。「2人はお互いに別れたがっていた。両者は全く違う人間で、クラブハウスでちょっとした衝突があった。セミエンがトレードされたということは、シーガーが残留することを意味すると思う」と証言した。
米スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイテッド」のジェレミー・グレザー記者も19日(日本時間20日)の記事で、この軋轢について詳しく報じた。同記事では、「ヘイマン記者の報道によると、シーガーとセミエンの間で軋轢があって、その結果セミエンはメッツにトレードされたという。彼とセミエンは反りが合わなかったようだ」と伝えている。
2人は2023年、レンジャースの悲願だったワールドシリーズ制覇の立役者だった。セミエンは二塁手として、シーガーは遊撃手としてコンビを組み、チームの攻守の要を担った。特にシーガーはワールドシリーズMVPに輝く活躍を見せていた。
しかし、今季のレンジャースはポストシーズン進出を逃す低迷ぶりだった。スポーツ・イラストレイテッド誌は「2025年シーズンポストシーズンに出場できなかったことで、軋轢が一気に崩壊した可能性がある」と分析している。
両選手の性格の違いも要因の一つとされる。同誌によると「セミエンは練習の虫として知られており、2019年から2024年までのレギュラーシーズン全試合に出場している。シーガーは(セミエンより)より才能がある選手で(2021年オフに)10年3億2500万ドル(約513億円)の契約を結んだ。しかし、この遊撃手は以降IL入りしている期間が非常に長くなっている」という。
クラブハウスの雰囲気についても問題があったようだ。レンジャーズで現役引退したケビン・ピラー氏は米ポッドキャスト番組「ファウル・テリトリー」で「(チームワークがあまりなく)全員が自分たちのことをしていた」と振り返った。
ヘイマン記者はシーガーの価値についても言及した。「シーガーをトレードしなければならなくなったら、チーム関係者はとてもがっかりするだろう。経済的な事情もあるのは分かっているが、シーガーはワールドシリーズMVPを2度獲得しているから。これは簡単なことではない」と述べ、フロントが手放したくない意向を示唆した。実際、クリス・ヤングGMはトレードするつもりはないと明言している。
今回のトレードにより、レンジャーズはチームの核となるシーガーを中心とした新たな体制作りに着手することになる。クラブハウス内の人間関係が及ぼした影響は大きく、今後のチーム運営にも注目が集まっている。
(Full-Count編集部)