金満球団との再契約は「もう実現しないな」 古巣に理解も…生え抜きが感じなかった“誠意”

オリオールズのピート・アロンソ【写真:球団提供】
オリオールズのピート・アロンソ【写真:球団提供】

メッツ退団のアロンソがオフの舞台裏を語った

 今オフはニューヨークに衝撃が走ることとなった。メッツ一筋で球団の看板打者だったピート・アロンソ内野手がFAとなり、オリオールズと5年総額1億5500万ドル(約242億円)で契約。レギュラーシーズンの惨敗からオフの相次ぐ主力流出にファンからは嘆きの声が挙がる中、アロンソ本人が米ポッドキャスト番組に出演し、移籍の裏側にあった“非情な現実”を赤裸々に告白した。

 アロンソは米ポッドキャスト番組「ファウル・テリトリー」に出演。5度のオールスター選出を誇る主砲に対し、メッツ側は最後まで具体的なオファーを提示しなかったという。アロンソは本格的な交渉に入った時点で、メッツとの再契約は「そうか、これはもう実現しないな」と悟ったという。さらに「自分としては、持てるものはすべて出した。いつもそうするようにね。(メッツのことを)悪く思ってはいないよ。結局のところ、これは球団側の哲学であり、ビジネス上の判断だからだね」と古巣との決別を振り返った。

 メッツのデビッド・スターンズ編成部長は11月のGMミーティングで再契約に関心があると伝えていたが、結果的に交渉は具体化せず、最終的にメッツから正式なオファーがなかった。一方で、同時期に猛アタックを仕掛けたのがオリオールズだ。若き才能が躍動する新天地について、アロンソは「彼らには才能ある若い中心選手がいるし、本拠地カムデンヤーズは本当に美しい球場で、プレーするには素晴らしい場所だと思った。自分にとっていつも、打つのがとても楽しい場所なんだ」と語り、既に前を向いている。

 巨大戦力にも関わらずポストシーズン進出を逃したメッツ。アロンソは「深く考えたくない」としつつも、今季のレギュラーシーズン最終戦でマーリンズに敗れ、プレーオフ進出を逃す形で終わらなければ、事態は違った展開になっていたかもしれないと認めた。

 番組内で球団側との軋轢を問われると、アロンソは「正直に言うと、自分は大丈夫だ」とし、きっぱりと否定。「オリオールズは最初から最後まで素晴らしい対応をしてくれた……メッツがそうじゃなかったわけじゃないよ。ただ、自分は恵まれていると感じているし、ここが正しい居場所だと思っている。この状況で不満を持つわけがないだろう?」と語った。

 メッツは今オフ、アロンソだけでなく生え抜きのブランドン・ニモ外野手をトレードで放出し、絶対的守護神のエドウィン・ディアス投手もドジャースへ流出。さらに主力の一角だったジェフ・マクニール内野手までもがアスレチックスへ移った。一方、ヤンキースからデビン・ウィリアムズ投手とルーク・ウィーバー投手を獲得。さらに、一塁での起用も見込まれているホルヘ・ポランコ内野手をマリナーズから獲得し、チーム再編への途上にある。

(Full-Count編集部)

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