宿敵への“挑発”は永遠の語り草 ド軍で愛された右腕が引退…発言にファンが熱狂した理由

ドジャース時代のジョー・ケリー氏【写真:ロイター】
ドジャース時代のジョー・ケリー氏【写真:ロイター】

正義感でファンを魅了、独自キャラ貫いたケリーの軌跡

 事実上の現役引退を発表した元ドジャースのジョー・ケリー氏について、地元メディアが功績と独特なキャラクターを称賛している。特に2020年にサイン盗み問題で宿敵となったアストロズとの一件では正義感ある逸話を残し、瞬く間にファンの心を掴んだ伝説的存在として語り継がれている。

 ケリーは22日(日本時間23日)、米ポットキャスト番組「Baseball Isn’t Boring」に出演した際に「まだいい球は投げられるけど、絶対にプレーすることはない」と発言し、現役生活にピリオドを打つことを表明した。2009年にカージナルスからドラフト3巡目で指名され、その後レッドソックス、ドジャース、ホワイトソックス、ドジャースと渡り歩き、通算成績485試合に登板し54勝38敗、防御率3.98、767奪三振を記録した。

 地元メディア「ドジャース・ネーション」のダグ・マッケイン記者は12月23日(同24日)の動画で「ジョー・ケリーは永遠にドジャースの歴史に残り続ける」と称賛。2021年のホワイトハウス訪問時にメキシコの民族衣装であるマリアッチ・ジャケットを着用したエピソードや、アストロズのアレックス・ブレグマンやカルロス・コレアに対して危険球を投げ「ナイススイング」と挑発的な発言をした一件に言及した。

 マッケイン記者は「『2017年に何が起きたか、私はわかっている』という振る舞いをして、自身の行動に責任をとったのだ。サイン盗みがされた当時、彼はチームにいなかったが、その一件以降、彼はあっという間にドジャースのレジェンドになった」と分析。ケリーが過去の不正に対して毅然とした態度を示したことで、ファンから絶大な支持を得たと説明した。

 2020年7月28日(同29日)のアストロズ戦では、前年に発覚したサイン盗み問題に対して怒りを表現。ブレグマンとコレアに危険球を投げた後、マウンドを降りる際に挑発的なジェスチャーを見せ、その後の乱闘騒動につながった。この一件でケリーは8試合の出場停止処分を受けたが、ドジャースファンからは英雄視される存在となった。

 その後の反響の大きさについてもマッケイン記者は触れた。「彼は永遠にドジャースの歴史に残り続ける。アストロズとの乱闘時が描かれた彼の壁画、Tシャツ、シール、タトゥーが作られた。人々はJK17ファイトクラブを愛していたのだ」と熱狂ぶりを振り返った。

 ワールドシリーズ優勝リング授与式でのケリーの始球式についても「その時ケリーはイケてるマリアッチ・ジャケットを着ていたね」と、最後まで独自のスタイルを貫いた姿を称賛。17年間のプロ生活を通じて培った人柄と、正義感あふれる行動力で、ドジャースファンにとって忘れられない存在として、その功績を讃えている。

(Full-Count編集部)

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