山本由伸の快挙を台無し…ド軍を象徴する“悪夢” 敵軍記者も忘れない「1/162」

山本は9回2死までノーヒットノーラン継続も…ホリデイに被弾
歓喜と悲鳴が入り混じった瞬間だった。MLB公式は24日(日本時間25日)に今季のシーズンを振り返り、全30球団それぞれの「今季最高の勝利」を選出。オリオールズからは、山本由伸投手の快挙を粉砕したゲームが選ばれ、「誰も想像できなかった」と改めて“結末”が注目されている。
記憶にも記録にも残った試合だ。9月6日(同7日)のオリオールズ-ドジャース戦。山本は序盤から相手打線を牛耳り、ゼロの山を築き上げた。チームも3点を加えて勝利投手の権利を手にし、メジャー移籍後初となる9回のマウンドへ。敵地にも関わらず場内のファンは総立ちで、山本のノーヒットノーランへの期待が高まっていた。
2死を取って迎えるは超有望株のジャクソン・ホリデイ内野手。カウント2-1からの3球目、内角へ完璧にコントロールされた95マイル(約153キロ)のフォーシームを投げ込んだが、若き逸材は狙いすましたかのように強振。打球は無情にも右翼フェンスを越えた。山本は悔しそうな表情を浮かべ、そのまま交代。敵地ファンも拍手を送って快投を称えた。
しかし、試合はここから終わらなかった。続くブレイク・トライネン投手が3四死球、被安打1の大乱調。1点差になり、満塁のピンチでタナー・スコット投手が急きょマウンドに上がったが、2点適時打を浴びてサヨナラ負けとなった。
この試合をオリオールズの「最高の勝利」に選出したのは、MLB公式のオリオールズ番レポーターを務めるジェイク・リル氏。「歴史的快挙を打ち砕いた。カムデンヤーズの観衆は歓喜に沸いたが、その後さらなる結末が待っているとは誰も想像していなかった」と当時を振り返り、「信じられないような幕切れとなった」と回顧した。しかも、カル・リプケンJr.が2131試合連続出場という金字塔を打ち立ててから30周年の記念ゲームということも後押ししたようだ。
ちなみに、対ドジャース戦の勝利はオリオールズのほかに、エンゼルス、アストロズ、カージナルス、ジャイアンツでも選ばれている。
(Full-Count編集部)