「今年やらないと戦力外」覚悟も…運命変えた新庄監督の一言 “遅咲き”首位打者誕生の裏側

日本ハム→巨人にFA移籍した松本剛が杉谷拳士氏のYouTubeに出演
元日本ハム内野手の杉谷拳士氏が、自身のYouTubeチャンネル「熱スギヤch」で、今オフ日本ハムから巨人にFA移籍した松本剛外野手と対談した。2軍暮らしが長かった松本は、プロ11年目だった2022年に首位打者を獲得。そこには同年から就任した新庄剛志監督の「言葉」があった。
2011年ドラフト2位で日本ハムに入団して14年間在籍した。「言葉にするのは難しいですけど、苦しい時間の方が長かったし2軍の方がいる時間が長かった。クビになってしまうんじゃないかというシーズンもありましたし、その中で契約し続けてくれて、内野から外野にというのも見守ってくれて、やっと恩返しというかちょっとずつ期待に応えられるようになってきたこの数年間です」と振り返る。
2017年には初めて規定打席に到達するも、その後は出場機会を減らし、2021年は47試合にとどまっていた。プロ10年目を終えてもレギュラーに定着できず、厳しい勝負の世界では立場も危うくなっていく。しかし2022年、117試合で打率.347という好成績をマークした。
「栗山さんにも目にかけてもらいながら期待に応えられないシーズンが続いていて、1度だけ規定打席に乗れたけどその後もなかなかいいシーズンが送れない中で、10年目、終わりが見えるくらいの成績でした。今年やらないと間違いなく戦力外だろうなという思いでキャンプから入っていって、新庄さんが『フラットに全選手を見ますよ』と。その言葉でルーキーの気持ちじゃないですけど、もう一度自分の中のターニングポイントじゃないですけど、ここでやれなかったら俺はやれないなという気持ちで2022年に入っていったのをすごく覚えていますね」
“遅咲き”でも、着実に歩んできた証だった。「例年自信はつけていたんです、やはり。技術的な部分では成長していると思いながらずっとやっていて、それが1軍の舞台で発揮できていなくて、それも実力だと思っていた。コツコツやってきたことが表現できたなというシーズンでした。あんな数字が残るとは思っていなかったし自分でもビックリしましたけど、技術的な感覚はマッチした。メンタル的にもですけどすべてがうまく回った1年間だったなと思います」と胸を張った。
杉谷氏も「剛、だいぶ羽ばたいていったなみたいな。でもこのままいけよと。苦労している時間を知っていたから、突っ走るだけ突っ走れとずっと応援していたから。自分の成績より剛が頑張ってくれたらうれしいと思った」と当時の心境を明かした。