“平凡”な平均144キロでも…ロッテ左腕を打てない理由 飛躍を支えた「23.6%」

ロッテ・高野脩汰【写真:球団提供】
ロッテ・高野脩汰【写真:球団提供】

直球とフォークに絞り込まれた投球スタイル

 ロッテの高野修汰投手は、真上から投げ下ろすダイナミックなフォームを武器に、2025年シーズンに大きな飛躍を遂げた。プロ入り3年目の昨季は前半戦からロングリリーフ要員として結果を残し、後半戦にはセットアッパーへと定着。最終的に37試合に救援登板し、防御率1.84、チーム2位の15ホールドを記録し、ブルペンを支えた。

 高野の投球スタイルは、入団当初から一貫してストレートとフォークが軸である。球種別投球割合を見ると、ルーキーイヤーの2023年からこの2球種が大半を占めており、明確な武器として機能してきたことが分かる。先発転向を視野に入れていた昨季はカーブなどの新球種習得にも取り組んだが、結果的にはストレートとフォークで投球全体の90%以上を占めていた。

 配球を絞り込んだことで役割はより明確となり、救援登板での安定感につながった。投げる球を限定しながらも打者を抑え込めた点は、ブルペンでの信頼獲得に直結している。ここからは、その中核を成すストレートとフォークのデータを詳しく見ていく。

球速以上の質を示すストレートと奪三振能力

 パ・リーグ救援投手のストレート平均球速は、2020年の145.2キロから昨季は149.4キロまで上昇しており、リーグ全体で高速化が進んでいる。その中で高野の昨季ストレート平均球速は144.1キロと、数値だけを見れば突出した速さではない。それでも被打率は.203を記録し、球速帯別のリーグ平均と比較すると150キロ以上の直球に匹敵する成績を残していた。

 直球を高めに投じた際のデータでは、ボールゾーンでのスイング誘発率、奪空振り率ともに140キロ台後半のリーグ平均を上回っている。独特のフォームから繰り出される伸びのある直球が、打者に差し込まれる要因となっていることが数字からも裏付けられる。球速以上の効果を発揮するストレートは、高野の投球を支える土台である。

 決め球のフォークも同様に高い水準を誇る。落差の大きいフォークはプロ1年目から高い奪空振り率を記録しており、昨季もリーグ平均18.5%を上回る23.6%をマークした。加えて、ボールゾーンで振らせる割合も大きく向上し、より高い精度で操れていた点が特徴である。被打率は.210とストレートとほぼ同水準で、ウイニングショットとして十分に機能していた。

 この2球種を高低に投げ分けることで、高野は高い奪三振率を維持している。昨季の奪三振率は10.23を記録し、150キロ台を連発するリーグ屈指の剛腕リリーバーと並ぶ数値となった。競った展開で起用される勝ちパターンの投手には、三振で流れを断ち切る力が求められる。その条件を満たした点が、セットアッパー定着の大きな要因である。

 プロ4年目を迎える今季は、投手陣の中心としての役割が期待される。昨年の秋季練習ではスライダーなど曲がり球の精度向上に取り組んでいることを明かしており、ストレート、フォークに続く第3の球種が確立されれば、投球の幅はさらに広がる。昨シーズンのロッテブルペンを支えた背番号34が、今季どのような進化を示すのか注目される。

(「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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