球速が「勝手に速くなる」コツとは? 小柄な小学生でも出力アップする“膝の高さ”

投げ方を指導する前田幸長氏【写真:尾辻剛】
投げ方を指導する前田幸長氏【写真:尾辻剛】

Gタウンで野球教室…NPB595登板の前田幸長氏が理想の投球フォームを説明

 まだ体の小さな小学生は、体を目いっぱい使って投げることが大切。そのために踏み出し足の膝を高く上げる必要がある。スチールエンジグループ主催の野球教室「キッズベースボールランドin東京」が2月22日、東京都稲城市のジャイアンツタウンスタジアムで開催され、小学生約400人が参加。共催した巨人OB会から元選手14人が駆けつけ、NPB通算595試合に登板した名左腕・前田幸長氏が小学生に身につけてほしい投球フォームに言及した。

「小学生は大きな子もいますけど、小さい子が多い。体をうまく使えていない選手が多いと感じます。体を目いっぱい使いましょうという話はしています。投球動作で、(ドジャースの)佐々木朗希ほどじゃないにしても、(踏み出し足の)膝をしっかり上げることが大事。そうすることで、踏み出す際に体をしっかり使うことができます」

 前田氏は福岡第一高3年時の1988年に夏の甲子園で準優勝し、同年ドラフト1位でロッテに入団。ロッテの他、中日、巨人で計19年間プレーして通算78勝を挙げ、米球界にも挑戦した。現在は中学硬式野球チーム「都筑ジャイアンツポニー」の会長を務めるなど、球界の裾野拡大にも尽力してきた。多くの子どもたちを指導した経験から「足の力をしっかり伝えることが大事。足のパワーを使いましょうと指導しています」と、これまでの取り組みを説明した。

「膝をしっかり高く上げることを言っています。自分の体を目いっぱい使えば出力は上がる。まずはそこを目指そうということ。足を上げないと、おとなしいフォームになる。もう少し勢いをつけるようにと指導しているのがスタートになります」

 2026年シーズンにドジャースで2年目を迎える佐々木は、左足を高く上げるフォームから160キロを超える剛球を投げ込む。「膝をしっかり高く上げる。そうすると足の力が手伝ってくれるからボールが速くなるんです」。右投手が左膝を高く上げるのは、決して佐々木特有のものではない。速い球を投げるための、理にかなったフォームなのである。

手投げを防ぐ効果「怪我の予防にもなります」

 ただ、成長期の小学生には難しい部分もあるという。「膝が上がらない選手が多いですね。できている選手もいるけど、できていない選手の方が多い。お腹に力を入れられないんですよ。膝を上げるためには、お腹に力を入れないといけないですから」。まずは腹筋を含む体全体の筋力を鍛える必要があるという。

 膝を高く上げて、全身を使って投球するということは、手投げ防止に繋がる。速い球を投げようとすると、子どもはどうしてもボールを持つ利き手に力が入りがち。腕を力いっぱい振ろうとして意識が利き腕に集中し、手投げになってしまう危険性がつきまとう。

「小学生は最初は腕ばかりに頼りがちですからね。そこで下半身を使えれば、ボールは勝手に速くなります。しっかり膝を上げるのを意識すること。小学生はそこが大事です」。手投げだと、どうしても肩や肘への負担が大きくなる。全身を使って投げるとバランスの取れた投球フォームになり、「怪我の予防にもなります」と説明する。

 強くて速い球を投げるには、腕力に頼ってはいけない。下半身を含めて、体全体を目いっぱい使う必要がある。意識するのは軸足とは反対側の足。お腹に力を入れて、膝を高く上げるフォームが第一歩となる。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

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