膝や腰が痛くても…バット使わず打撃強化 座ってできるインサイドアウト習得術

膝や腰への負担少なく“インサイドアウト”が習得できるドリルとは(写真はイメージ)
膝や腰への負担少なく“インサイドアウト”が習得できるドリルとは(写真はイメージ)

大阪桐蔭元主将・水本弦氏推奨…インサイドアウト習得する“ボール挟みドリル”

 成長期の小・中学生は、腰や膝に痛みが出る選手が少なくない。痛みがある中で無理に体を動かすと、状態を悪化させるリスクもある。大阪桐蔭の主将として2012年に甲子園春夏連覇を果たした野球指導者の水本弦さんは、下半身を怪我している選手に向けた打撃向上ドリルを提案している。

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 急激に身長が伸びる小・中学生は、膝や腰に痛みが出やすい時期です。私が運営する野球塾にも、成長期の痛みを訴える選手がいます。怪我をしている時は、治療に専念することが最優先です。その上で、怪我をしている部位に負担をかけず、他の部位を鍛えるドリルやトレーニングは数多くあります。

 下半身を痛めていて上半身を強化したい選手に、私が提案している打撃向上メニューの1つを紹介します。バットを内側から出す「インサイドアウト」の動きを身に付ける内容です。準備するのは、イスとボール。野球ボールに限らず、テニスボールや柔らかいボールでも構いません。

 イスに座り、両手を合わせて両肘でボールを挟みます。その格好からテークバックを取って、上半身を回転させながら両手でゆっくりスイングの動きをします。この時に大事なのは、バックハンド(左打者なら左手)をできるだけ体の後ろで天井に向け、両手を投球の軌道に入れる意識で動かすことです。

ボールを使ったドリルを実演する水本氏【写真:編集部】
ボールを使ったドリルを実演する水本氏【写真:編集部】

「バットを内側から出しなさい」の指導で…陥りやすい“手打ち”

 この際、両肘に挟んだボールが落ちてしまうのは、肘が体から離れて前に出すぎるエラー動作が起きているためです。ボールを落とさず、両方の脇腹に刺激が入っている感覚があれば、正しい動きができている目安になります。

 インサイドアウトはバットを体の内側から出すスイング軌道で、グリップを先に出してからヘッドを走らせる動きを指します。投球の軌道に長い時間バットの芯が入るため、安打の確率を高められます。ただ、「バットを内側から出しなさい」という指導を受けると、手でバットをコントロールする選手が多いです。そうなると、下半身で生み出した力が分散し、バットに力が伝わりません。

 大切なのは、胸郭を使ってバットを内側から出す動きをつくることです。その動きを覚えるために、両肘でボールを挟んだドリルが有効になります。最初はうまくできなくても、ドリルを繰り返すうちに感覚がつかめてきますし、胸郭の柔軟性も上がります。

 私も選手時代に経験がありますが、怪我の期間が長くなると不安が生まれると思います。しかし、焦りは禁物です。長期離脱を避けるために、まずは治療に専念してください。そして、下半身に負荷をかけられない場合は、上半身を強化したり、理想の動きを覚えたりする機会と捉えてください。打撃向上の手段は、バットを振るだけではありません。

(水本弦 / Gen Mizumoto)

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