普通のキャッチボールが「もったいない」 学童名将が実践…“全員を投手にする”ひと工夫

滋賀・多賀少年野球クラブの辻正人監督が伝授…キャッチボールで投手育成
学童野球で重要な投手育成。怪我予防の観点からも特定の選手に任せるのではなく、多くの子どもたちに経験させたいと考える指導者は多いだろう。全国制覇を3度達成している滋賀県の学童チーム「多賀少年野球クラブ」では“全員が投手”を標榜。辻正人監督はキャッチボールに工夫を凝らし、選手の可能性を引き出している。
多賀少年野球クラブは“小学生の甲子園”と称される「高円宮賜杯 全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント」で2018年と2019年に連覇を果たすなど、日本一に計3度輝いている強豪。OBには楽天時代に最多奪三振のタイトルを5年連続(2014年~2018年)、2024年に最多セーブを獲得し、巨人に今季加入した通算120勝右腕・則本昂大投手がいる。
チームの創設者で全国屈指の強豪に育て上げた辻監督は、キャッチボールが「もったいない」と感じたという。お互いの前方にホームベースを置けば、自然と「ピッチング練習になる」。誰もが喜々として投球する環境を整えた。チームには「ホームベースが60枚くらいあると思います」と笑う。
学童野球では球数制限がある。怪我を防ぐためにも、投手ができる選手を多くそろえておくことは重要だ。とはいえ、練習の合間に改めて多くの選手が投球練習を行うことは難しい。キャッチボールでピッチングの感覚を養うことは、極めて合理的と言えるだろう。
これだけではない。多くの選手に実戦登板を経験させるため、チームの紅白戦は9イニング制で実施。全員に1イニングを投げさせるためだが、“特別ルール”も設定する。なかなかストライクが入らないなど、苦戦する投手が「傷つかないようにしたい」。2点失ったら自動的にチェンジにするという。
投手は誰もが憧れる花形ポジション。どうしても単調になりがちなキャッチボールに投球練習の要素を入れることで、モチベーションはアップするだろう。キャッチボール→投球練習という手順を省略する上で球数減少にも役立つ。理想的な練習法と言える。
(First-Pitch編集部)
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