投げる球が弱い…原因は「足元約61cm」 名コーチ熱弁、勝てる投手にある“共通点”

佐藤義則氏の極意…プレートの踏み方一つで変わる「前へ行く力」と「角度」
ピッチャーズプレートの横幅はわずか24インチ(約61センチ)。しかし、その「どこに立つか」「どう踏むか」で、投じるボールの威力と戦略的価値は劇的に変化する。ダルビッシュ有(パドレス)や田中将大(巨人)ら一流投手を指導してきた名コーチ・佐藤義則氏は、マウンドという限られたスペースを最大限に利用する重要性を説く。
まず佐藤氏が強調するのは、プレートを「蹴る」のではなく「助け」として使う意識だ。通算165勝を挙げた現役時代に実践していたのは、軸足の外側半分をかける踏み方だ。あらかじめ足を斜めにのせておくことで、体が自然に前進する力をロスなくボールに伝えられるようになる。物理的な支点として活用することが、クイックモーションの速さや推進力の強化に直結する。
次に、佐藤氏はプレートの「三塁側」に立つことを右投手に強く勧める。最大の理由は、ホームベースを対角線上に広く使えるようになるからだ。三塁側から投じることで、右打者の外角低めへのストレートや変化球は、打者から逃げていくような鋭い角度がつく。逆に一塁側に立つと、ストライクゾーンがホームベースの半分程度に限定されてしまい、狭いところを通そうとして「ボールが弱る」。三塁側からベースを広く使う意識を持つことで、思い切りの良い力強い投球が可能になる。
プロの世界で勝つには、「バッターに嫌がられること」が不可欠。「このボールは内角に抜けてきそうだ」と打者に恐怖心や迷いを与えながら、ストライクゾーンを攻める。プレートの端を使うことで生まれるわずかな角度の差が、打者の体感速度や軌道の予測を狂わせる大きな武器になる。「強いボールを投げている(右投げの)ピッチャーの多くは三塁側を使っている」という言葉には、長年の指導経験に裏打ちされた確信がこもっている。
マウンドはただボールを投げる場所ではなく、物理法則と心理戦を組み合わせる「戦場」だ。コントロールに苦しんだり、球威はあるのに打たれたりする投手は、自分の立ち位置を一度見直すべきだろう。プレートの幅を最大限活用し、ベースを広く立体的に使う術を身につければ打者を翻弄できるはずだ。
(First-Pitch編集部)
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