WBC戦士父の信念「馬鹿親にはならない」 一流選手の保護者に共通する“線引き”

一流プロ野球選手を育てた保護者の共通点は“控えめな姿勢”
週末のグラウンドで泥だらけになって白球を追う我が子を応援する時間は、何物にも代えがたい喜びという保護者も多いでしょう。しかし、周囲の活躍や進路の話を耳にするたび、焦りを感じて子どもに厳しく接したり、先回りして世話を焼きすぎたりして後悔した……といった声もよく聞かれます。First-Pitchのポッドキャスト番組「野球ママへの応援歌」で、スポーツライター・編集者の樫本ゆきさんをゲストに迎え、野球に励む子どもを育てる保護者の在り方について深堀しました。
樫本さんは、高校野球やプロ野球の現場で多くのスター選手とその家族を長年取材してきました。甲子園などで目覚ましい活躍を見せる選手の保護者には、ある共通した特徴があるといいます。
それは、意外にも「後ろの方で目立たないようにしている」という控えめな姿勢です。我が子がスポットライトを浴びている時ほど、保護者は一歩引いて周囲への謙虚さを忘れない――。このスタンスが、結果として子どもが野球に集中できる健やかな環境を作り出しているのです。
象徴的なエピソードとして、野球日本代表「侍ジャパン」の一員としてWBCでも活躍する村上宗隆内野手(ホワイトソックス)の父が語った言葉が刺さります。
「私は親バカだけど、馬鹿親にはなりたくない」
この言葉には、子どもの一番のファンとして愛情を注ぎつつも、客観性を失って盲目的になり、周囲に迷惑をかけたり子どもの自立を妨げたりしてはいけないという、強い自戒の念が込められています。取材の際も非常に謙虚で、家族の空気を壊さないようメディアに対しても明確な線引きをされていたのが印象的だったそうです。

家庭での自立を促す習慣がグラウンドで生きる
また、プロ野球の世界で輝く選手の多くは、幼少期から「自分のことは自分でする」習慣が身についています。阪神で活躍し、WBCに出場している森下翔太外野手は、小学校1年生の頃からユニホームの泥落としを自分で行っていました。保護者が何でもやるのではなく、次の日の準備を本人が進んで取り組めるよう見守る。こうした家庭での原風景が、勝負どころで動じない精神力や自己管理能力を育む土台となっているのでしょう。
情報が溢れる現代では、SNSなどを通じて他の子どもの活躍が嫌でも目に入ってきます。
「あの子はあんなに打っているのに」「あのチームの練習法がいいらしい」といった外部の声に惑わされて家族の軸がブレてしまうことが、子どもにとって最も大きなストレスになりかねません。
「大切なのは、他のご家庭と比較することではなく、自分の家なりのルールをしっかりと持つこと」と樫本さんは分析します。挨拶を徹底する、感謝を忘れないといったシンプルなマイルールを軸に据えることで、保護者も子どもも周囲の雑音に振り回されない強さを手に入れられるのではないでしょうか。
チームでの活動についても、「主役はあくまで子ども」と樫本さんはアドバイス。保護者が前に出すぎて負担を感じるより、子どもが自分の言葉で指導者や仲間、家族に感謝を伝える。そんな適切な距離感こそが、少年野球を楽しむための秘訣といえるでしょう。保護者は、我が子を信じて一歩下がる勇気を持つことが、未来のスターを育てる第一歩になるのかもしれません。
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(First-Pitch編集部)
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