小学生に素振りは「体に良くない」 全国V3監督が指摘…“捻りすぎ”が招く深刻な障害

多賀少年野球クラブ・辻正人監督が注意喚起…素振りで起きやすい腰椎分離症
打力向上のために、素振りを日課にしている子どもも多いだろう。しかし、怪我予防の観点から見ると“疑問符”がつくという。全国制覇を3度達成している滋賀県の学童チーム「多賀少年野球クラブ」では素振りを禁止し、実際にボールを打つ練習を重視している。
日本の野球で打撃練習の“基本中の基本”と言えば、素振り。投球をイメージしてスイング動作を繰り返すことは打力向上に直結するとされ、週末のチーム練習だけでなく、日々の自主トレでもメニューに加えている子どもは多いだろう。しかし、多賀少年野球クラブの辻正人監督は推奨していない。怪我に直結するからだという。
成長期の子どもに多い怪我が、背骨の疲労骨折である「腰椎分離症」。体を捻る動作のスイングを繰り返すと腰に負担がかかり、起こしやすいとされる。症状が酷くなれば長期療養を余儀なくされるし、より深刻な「分離すべり症」などに進行していく場合もある。選手生命に影響しかねない疾患といえる。
「素振りって目標物がないので、すごく(体を)捻るんですよ。フォロースルーで、すごい捻っています。この動作を繰り返していると、腰に疲労骨折が起きます」と辻監督は注意喚起する。
腰の負担緩和のために勧めるのが、実際に球を打つ練習だ。テニスボール、丸めた新聞紙やバドミントンのシャトルでもOK。「『ここだ』っていうインパクトの所で力が加わるようにする」ことが、腰の怪我防止に繋がるという。
かつて、家で素振りを繰り返した選手が腰を痛めたケースがあったことから素振りを禁止したという辻監督。家で打撃練習する際には、ネットを前に置いて保護者がトスをあげたり、ティー台を使ったりしてのティー打撃を勧めている。「素振りは体に良くないです」。素振りではなく、実際に球を打つことは自分の体を守ることにも繋がる。
(First-Pitch編集部)
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