NPBジュニアを選ぶ側は「昭和の価値観」 選考会場で“見栄えが違う”小学生の特徴

NPBジュニアでプロの目を引く選手とは(写真は巨人ジュニア選考会)
NPBジュニアでプロの目を引く選手とは(写真は巨人ジュニア選考会)

NPBジュニアに過去11人…町田玉川学園少年クラブの“選ばれる秘訣”とは

“プロの登竜門”に出場するには、技術以外の部分が重要かもしれない。東京・町田市を拠点に活動する学童野球チーム「町田玉川学園少年クラブ」(以下、町田玉川)では、2022年に5人が選ばれるなど、毎年末に行われる逸材小学生の夢舞台「NPBジュニアトーナメント」に過去11選手を輩出している。各球団16枠しかない狭き門に、なぜそれだけ送り込めているのか。「僕の中には勘どころがある」と語る監督兼代表の菊池拓平さんに聞いた。

 目先の勝敗にこだわらず、中学・高校以降に繋がる“個の能力”を伸ばす指導方針の町田玉川。技術の土台を作るドリルの豊富さにも定評があるが、NPBジュニアに多くが選ばれる要因は技術の高さだけではないようだ。

「選ぶ側は“昭和の価値観”。昭和の人間から見てどう思われるかは、考えた方がいいですよという話は、ジュニアを受験する親御さんには話をしますね」

 昭和の価値観というと古風な感じもするが、菊池代表が伝えたいのは“精神面”や“振る舞い”の大切さだ。セレクションに集まってくるのは皆、技術的に自信を持った子ばかり。そこでプロの指導者たちの目を引き、他人との差をつけるのは“内面的”なものになるはずと語る。

「うちの子は最終選考で打ちまくったのに落とされました、という親御さんがいますが、では(一塁)駆け抜けはできていましたか、と。他チームを見ていても、良いバッターって全力疾走を怠る子が結構多いんですよね。他にも、守備で際どい打球を追いかけるなど、ボールへの執着心を見せられたかとか。野球で勝負するって、結局そういうところじゃないですか」

町田玉川学園少年野球クラブ・菊池拓平代表兼監督【写真:磯田健太郎】
町田玉川学園少年野球クラブ・菊池拓平代表兼監督【写真:磯田健太郎】

道具を大切にし、共に歩んでいくのも野球の魅力の1つ

 自分は野球が上手だという自己肯定感は子どもにとって大切だが、「チームで一番」という“お山の大将”的意識か、「もっと上手い選手を目指したい」という高みを目指す意識かでは、同じ技術レベルでも全く見栄えが違うという。その差は、プロが目を光らせるセレクション会場で如実に現れると菊池代表は語る。

 グラウンド内だけではない。ハキハキと挨拶ができているか、道具の整理ができているかなど、グラウンド外での振る舞いも差をつける要因になるだろう。町田玉川では技術指導だけでなく、礼儀や整理整頓についても厳しく低学年の段階から指導をしており、練習場所にもきれいに道具やバッグが並んでいる。もちろん、ジュニアに受かるためではなく、今後の野球人生につながるからだ。

整頓された町田玉川ナインの道具【写真:磯田健太郎】
整頓された町田玉川ナインの道具【写真:磯田健太郎】

「グラブの手入れも、子どもたちにはうるさく言います。親が買ってくれたものだからというのもありますが、やっぱり野球は道具でやるスポーツだし、手入れ次第でプレーも左右される。愛着を持って大切に扱えば、それが良いプレーとして循環されていく。道具を大切にし、その道具と共に歩んでいくというのが野球の魅力を1つですから」

 各球団のセレクションは6月頃から募集開始と本格化していくが、菊池代表は「興味があるならば受けてみたほうがいい」と勧める。「上には上がいるとか、ギャフンと言わされるような経験を早めに味わっておくのも、将来の成長につながります」。親子で視野を広げる意味でも、小学5、6年生は良い機会としてみてはどうだろうか。

(高橋幸司 / Koji Takahashi)

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