古い体質のチームほど多い「無駄な当たり前」 野球未経験コーチの視点が重要なワケ

年中夢球さんが語る…未経験だから生むチームへの好影響&我が子との接し方
少年野球では、子どもが所属するチームのコーチを野球未経験の父親が引き受けるケースは少なくない。首脳陣との距離感や指導法に悩む父親もいるだろうが、未経験者の思考がプラスに作用することもある。保護者と選手のベースボールメンタルコーチとして活動し、自身も”パパコーチ”の経験がある野球講演家の年中夢球(ねんじゅう・むきゅう)さんは、未経験だからこその強みがあると力説する。
古い体質のチームでは野球未経験のコーチは意見しづらく、否定されがちだ。しかし、最もフラットな視点を持つのは、1年目のパパコーチだと年中夢球さんは断言する。過去に指導していたチームでは、練習も試合も「野球だけ」をやるチームだった。だがある時、野球未経験のコーチから「1日でも息を抜く場面をつくってあげればどうですか?」と提案されたという。
「普段の練習や、合宿に行っても常に野球だけでしたが、アドバイスをもらったことで、子どもに野球以外の楽しみを作る重要性を教えてもらいました」
その提案を受け、年中夢球さんは年末に選手の家族も参加する大運動会を実施した。綱引きや玉転がしなどを楽しみ、指導陣が思いつかないような選手を楽しませる感覚をパパコーチから学んだ。未経験者の声に耳を傾けることで、新たな発見が生まれたのだ。
また、昔からの伝統や慣例の中で、“当たり前”になっている無駄に気づかせてくれるという。
「なんでやっているか、分からないルールや伝統ってありますよね。古い体質のチームほど、それは多い。提案やアドバイスを受けても否定から入り、取り入れる努力をしない。フラットに見られる第三者の目を持っているのが、未経験者や1年目のコーチです。古い体質が抜けきらないチームでは“当たり前”になっていることが、実は意味のないことは沢山あります」

未経験の父がコーチになるには覚悟も必要だ。選手に「頑張れ」と言うなら、指導者はより頑張って勉強しなければならない。「指導に正解はないですが、今の時代はやろうと思えばいくらでも野球の勉強はできます。ある程度の覚悟を持ってやらないといけません」。子どもたちに教えるには、技術や理論も知っておく必要がある。
家庭での接し方にも注意が必要だ。家で素振りなどをする際、子どもに「やっておけ」と言うだけの指導は厳禁。「ボールを投げてあげたり、キャッチボールの相手をする。親が一緒になってサポートすることが大切です」。子どもと過ごせる時間は思っている以上に短い。寄り添ってくれる父と一緒に努力することは、子どもにとってかけがえのない時間になるだろう。
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(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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