子どもの「ティー投げて」に親はどう応える? 自主練の時間を濃密に変える“ルール”

慶応・早実で甲子園出場…鈴木兄弟が振り返る「自主性を伸ばす親の心得」
子どもから「ティーを投げて」と頼まれた際、親としてどう向き合うべきか。慶応義塾高、早稲田実業でそれぞれ甲子園に出場し、東京六大学野球でも活躍した鈴木裕司さんと健介さんの兄弟は、文武両道を貫けた背景に「親の徹底したサポート」があったと振り返る。とはいえ、そこにはちょっとした“ルール”もあった。二人の経験談からは、親が子どもの自主性を伸ばすための接し方のヒントが詰まっている。
鈴木兄弟の両親が大切にしていたのは、親から「練習しろ」と絶対に言わないことだった。勉強も野球も、親が「やらせる」のではなく、子どもの「やりたい」という意思にとことん付き合う姿勢を貫いたという。親が先導するのではなく、あくまで子どもの内側から湧き出る「やりたい」という動機を待つことが、自主性を育む第一歩となる。
とはいえ、子どもが練習をしたいとなっても“一定のルール”は必要だ。裕司さんは「ティーを投げてくれない、という誘い方はダメだった」と振り返る。「練習付き合ってもらえませんか? お願いします!」。こうした一言を口にさせるだけで、子どもは「親の貴重な時間を使わせてもらっている」という自覚を持つ。この意識の差が、ただの打撃練習を、1球も無駄にできない密度の濃い時間へと変える。
お願いされれば、両親は「協力者」として全力で向き合う。時には夜中の12時を過ぎ、父親が眠気に襲われながらティー打撃のトスを上げることもあったという。今では申し訳なかったと二人は苦笑して振り返るが、親子の熱量が、難関の高校受験を乗り越え、甲子園出場と大学野球での活躍にもつながっていったと言える。
兄弟の両親は、「子どもの『やりたい』を断らないこと。とことん付き合ってあげる姿勢が自主性を伸ばす」とコメントしている。自分都合で子どもに無理強いするのではなく、親は「協力者」に徹し、子どもの訴えに真摯に応え続けることが、結果として自ら考えて行動する力を養うことに繋がるはずだ。
(First-Pitch編集部)
球速を上げたい、打球を遠くに飛ばしたい……。「Full-Count」のきょうだいサイト「First-Pitch」では、野球少年・少女や指導者・保護者の皆さんが知りたい指導方法や、育成現場の“今”を伝えています。野球の楽しさを覚える入り口として、疑問解決への糸口として、役立つ情報を日々発信します。
■「First-Pitch」のURLはこちら
https://first-pitch.jp/