難しい野球の動作を“分けて習得” 投球、打撃、感覚…初心者の可能性を広げる3ドリル

中学から野球を始める子どもに最適な指導法とは(写真はイメージ)
中学から野球を始める子どもに最適な指導法とは(写真はイメージ)

指導の迷いを解決…巨人野球振興部が伝える中学生への段階指導

 大谷翔平投手(ドジャース)の活躍で興味をもち、中学から野球を始めたい……。そんな思いを抱いて、部活動やクラブチームの門を叩く子どももいるだろう。ただ、道具を扱う複雑な全身運動を一度に習得することは簡単でなく、指導者にとっても工夫が必要になる。そこで、読売巨人軍の野球振興部が伝えているのが、動作を細かく分けて学ぶ「分習法」だ。ボール扱い、投げ方、打撃において、段階的に変な癖をつけず、技術を身に付けていくコツを、First-Pitchが過去に取材した内容から紹介しよう。もちろん、小学生初心者への指導にも参考になるものだ。

・ボールを扱う感覚が乏しい初心者に、まず何をさせれば良いか。
・投球フォームを一度に教えようとして、動作がバラバラになるのをどう防ぐか。
・従来のトスバッティングが難しすぎて、練習が成立しない場合にどうするか。

 野球において、まずは自分の体を自在に動かす能力を磨く「コーディネーション」が上達の近道だ。例えば、ボールを上に放って落ちてくる間に手を叩く「手ばたきキャッチ」や、地面を触ってから捕球する「地面タッチキャッチ」など、シンプルに楽しめるメニュー。これらを短時間に区切ってウオーミングアップに取り入れることで、飽きずにボールを扱うセンスを高められる。いきなり専門的な技術を強いるのではなく、遊びの要素を交えて道具を自在に操る感覚を養うことが、劇的な上達に繋がる。

 投球動作については、5段階に分解する「分習法」を推奨している。投球は、軸足からステップ足に体重移動する「並進運動」と、体幹を捻って投げる「回転動作」で成り立つが、「回転動作」から覚えるのが近道だという。肘を90度に曲げて腕を前後に動かす「腕の使い方」、グラブを胸に引きつける「上半身の使い方」、そして下半身との連動へと段階を進めていく。分習法であれば、指導経験が少ない先生でもポイントを絞って一貫した教え方ができ、選手が不調時に立ち返る「原点」としての役割も果たすという。

 バットコントロールを磨く練習としては、従来のペッパー(トスバッティング)に代わる、難易度を下げた実践的な方法を提案している。投手役は下から投げ、打者はグリップを広く持ってバントのようにワンバウンドで打ち返すドリルだ。通常のペッパーはストライクを投げること自体が難しい選手もいるが、この方法なら初心者でも簡単に真芯に当てる感覚を習得できる。同じ形でノーバウンドで返せば、打球にバックスピンをかける技術も身に付くため、現場で取り入れやすい有効な手段であるという。

 段階的な指導は初心者の戸惑いを払拭し、確かな技術習得を支える基盤となる。動作を分割して成功体験を積み重ねることで、野球の楽しさを実感しながら成長できる環境を整えたい。

・ボール扱いの感覚を養うには、手ばたきや地面タッチを交えたキャッチング練習で、遊びながら調整力を高める。
・投球の習得は「分習法」を活用し、回転動作から5つのステップに分けて段階的にフォームを構築する。
・ミート力を高めるには、グリップを広く持ちワンバウンドで打ち返す簡易的なペッパーで、芯に当てる感覚を掴ませる。

(First-Pitch編集部)

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