中学硬式を選ぶ選手に必須のトレーニング 北海道勢初の快挙で示した“年中無休”の重要性

全国選抜野球大会で準優勝に輝いた札幌北リトルシニア・松本竜輔監督
頂点まであと一歩及ばなかったが、新たな歴史を切り開いた。シニアリーグ“春の日本一”を決める「JA共済杯 第32回日本リトルシニア全国選抜野球大会」で、準優勝に輝いた札幌北リトルシニア。3月31日の決勝戦では守山リトルシニア(関西連盟)に延長9回タイブレークの末に6-7で敗れたが、北海道勢として初の決勝進出。松本竜輔監督は「次に繋がる敗戦」と前を向いた。
道産子たちの勢いは決勝の舞台でも止まらなかった。序盤に3点を追う展開になったが、3回に相手のミスにつけ込み3点を奪い同点。4回に併殺崩れで1点を加えて勝ち越した。だが最終回の7回、優勝まであと1死という場面から同点に追いつかれ、延長9回に力尽きた。
それでも、関西No.1チームを決める「タイガースカップ」を昨年制した守山を相手に互角以上の戦いを見せた。「あと一歩のところまで来て、最終的に力不足の綻びが出たのが現状だと思ってます。次に繋がる敗戦、結果だったと思うので、次に繋がればそれでいい。歴史が作られたことに関してはものすごく嬉しい気持ち」と松本監督は心境を明かした。
札幌北の強みは、バッテリーを含めた守りだ。この大会では、準決勝までの4試合で計6失点。そのうち3試合は最少失点で凌ぐなど、固い守備で僅差の試合をものにした。冬場は積雪の影響で実戦形式の練習は限られているが、「冬がハンデだとか、絶対に言い訳するなと言ってやってきました。この大会でそれが証明されました」。今や“雪国のハンデ”は関係ない。環境に応じた練習やトレーニングで、全国クラスのチームを作ることは可能だ。

「フィジカルがないと技術は自分のものになりません」
2022年からチームを率いる松本監督は「フィジカル強化と徹底した基礎の反復」を育成方針に掲げる。グラウンドが使えない冬場だけフィジカル強化に取り組むチームはあるが、札幌北では季節に関係なく筋力トレーニングを継続。そこにキャッチボールなどを加え、技術向上に繋げている。
「フィジカルトレーニングは目一杯やっています。どこのチームよりもやっている自負はあります。実戦練習のスタートを切るためのフィジカルトレーニングなので。ずっと積み重ねて進化させています。
トレーニングは1年中継続します。じゃないと貯金できない。少しやっただけでは体が張るだけです。負荷の加減はありますが、継続して体重をアップさせていかないとダメだと思う。トレーナーに計画を組み立ててもらっています。うちのチームは何も特別なことはしていない。体作りから基礎の反復。それを実戦に繋げていくだけです」
硬式球でプレーする中学生は、フィジカル強化が必須だという。成長期を迎えて体が大きくなる一方、バットやボールなど道具は重くなる。「この時期は怪我をしやすい状態。どんなに速い球を投げるピッチャーでも、骨は14歳、15歳の骨です。あまり無理はさせませんが、怪我をしない体を作ることが大事です。プレーに関してもフィジカルがないと技術は自分のものになりません」。
この大会で確かな手応えを掴んだが、目標は先にある。「優勝できるレベルではなかった。今思っている感情を大事にしながら、次に向かって本気で頑張ることができれば、夏にいい結果に結びつくと思います」。あと一歩届かなかった頂点に向け、休む間もなくチームは動き出した。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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