子どもたちにドアスイングが多いのはなぜ? 打撃の癖を“9割5分”引き起こす原因

野球塾「J-PARK」代表・福原芳之さんが伝授する打撃の“悪癖修正術”
少年野球の指導者は、子どもたちの将来を左右する重要な役割を担っている。言葉や感覚で理解させるのは難しく、悩むことも多いだろう。打撃の“悪癖”として挙げられる「ドアスイング」の矯正もその一つだ。徳島県小松島市で室内練習場・野球塾「J-PARK」の代表を務める福原芳之さんは、多くの子どもたちを指導してきた経験から、言葉や感覚では伝えにくい動作を“道具”を使って修正するドリルを推奨している。
ドアスイングはバットのヘッドが体から離れ、遠回りして出てくる動き。内角をさばけず、スイング軌道が不安定になるなど、デメリットばかりだ。福原さんによると、主な原因は2つ。「前の肘が伸びきっている」か「後ろの肘が脇腹にロックされたまま振る」かだ。小さな子どもにとってバットは重く、遠心力で前の手が伸びてしまう。しかし、これを言葉で指導しても「リアルとイメージが違う」ため簡単に直ることはないという。
福原さん曰く、ドアスイングの9割5分は、前の肘が伸びることが原因。そこで推奨するのが、前の肘に小さなボールなどを挟んでボールを打つドリルだ。体に「肘を曲げて振る」という信号がない子どもに対し、強制的に肘を曲げた状態を作ってスイングさせ、正しい腕の使い方を覚えさせる。
ボールを挟んだ状態で10球から20球程度打ち、その後にボールを外して打ってみる。自然と肘が曲がり、ドアスイングが直る子どもは多いという。インパクトまでは胸と腕で五角形を作り、インパクト後は三角形を作る。「言葉だけで直った子はいない」と断言するほど、道具を使うことが改善への近道となる。

インパクトの理想は「胸と腕で五角形をつくる」
福原さんはインパクトについても「子どもは勘違いしやすい」と強調する。インパクトの瞬間、腕は伸びきっていると思われがちだが、伸びきった状態でボールを捉えることは「かなり低い確率」だという。腕が伸びた状態でインパクトを迎えると、「点」でしか捉えられず、緩急や変化球が加わるほど、バットの芯で当てることは難しくなる。
プロ野球の一流選手でも、実際は「インパクトの瞬間に腕は少し曲がっている」と説明する。理想は胸と腕で五角形をつくること。肘が適度に曲がった状態でインパクトを迎えることで、芯に当たる確率は高くなる。
「野球はコンマ何秒の世界で勝負するスポーツです。脳の感覚とリアルはどうしても違いがあり、感覚より少し遅れてくる。子どもたちはまだ、正しい動きをする体の信号がないので、イメージや自身の経験を伝えるより、道具などを使って強制的に作らないと直りません」
福原さんは6月22日に開催されるオンラインイベント「小中学生に多い“手打ち”改善講座」に講師として出演予定。スイングが劇的に変わるポイントや方法を紹介する。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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