「身体を開くな」は逆効果? 小学生は勘違いも…“手打ち”を招く指導者の声かけ

徳島県の野球塾「J-PARK」代表の福原芳之さんが語る“手打ちの原因”
子どもたちに多い“打撃のエラー動作”に「手打ち」が挙げられる。バットの芯に当てようとするあまり、手を前に出して当てにいくスイングになってしまう。その原因は、指導者の声掛けにあるかもしれない。徳島県小松島市にある室内練習場・野球塾「J-PARK」代表の福原芳之さんが、手打ちになる理由と改善ポイントを明かした。
試合で、打席に向かう選手に「ここは右に打とう」「フライはダメ」といった指示を出す指導者は少なくないだろう。しかし、福原さんによると、子どもは言葉で結果を求められると意識が強くなりすぎ、練習ではできていた打ち方ができなくなるという。指導者の言葉に縛られ、自分のスイングができずに手打ちになるという悪循環に陥ってしまう。
福原さんは「手打ち」を2つのタイプに分けている。1つは身体の回転よりも早く手が先に出てしまう初動の手打ちだ。打球を飛ばすには体幹を使ったスイングが必要だが、腕の力に頼ってしまうと、体よりも先にグリップが出てインパクトで力が伝わらない。
もう1つはスイングを途中で止めるような形になり、フォロースルーが小さく骨盤が最後まで回旋しない手打ちだ。回旋が弱くなることで、手首をこねた打ち方になる可能性がある。「身体を開くな」「グラグラするな」といった指導者の声掛けによって起きることが多いという。

2029年から小・中学校の軟式野球では「複合型バット」が全面的に禁止に
福原さんは短距離走を例に出して、改善方法を子どもたちに伝えている。ゴールラインでピタッと止まろうとすれば、数歩手前からスピードを落としてしまう。これと同じで、身体を開かずにスイングを終わらせようとすると、力が弱くなるのだ。走り抜けるイメージで「思い切り開いてグラグラするまで振ろう」と伝えた方が、強いスイングでフィニッシュできるという。
指導者が「身体を開かずに打とう」と言う時、踏み出した足のつま先が開かない状態を指していることが多い。しかし、子どもたちは上半身を開かないことだと勘違いし、手打ちになることが多いそうだ。試合中は結果を求めるような指示を避け、「いつも通り」といった声を掛けることで、選手は迷いなくバットを振ることができるはずだ。
学童や中学軟式野球は今後、転換期を迎える。2029年から小・中学校の軟式野球では打球部にウレタンやスポンジなどの弾性体を使った「複合型バット」の使用が全面的に禁止される。だからこそ、幼少期から正しい打撃を身につけることが求められる。
「これから厳しい時代になってくる。ピッチャーの球は速くなり、バットが飛ばなくなる。バッター不利な状況で野球界が進んでいくからこそ、技術を磨いていかないといけない」
福原さんは6月22日に開催されるオンラインイベント「小中学生に多い“手打ち”改善講座」に講師として出演予定。スイングが劇的に変わるポイントや方法を紹介する。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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