朝食抜きは熱中症の“リスク大” エネルギー補給へ…食欲ない選手を助ける「食材」

熱中症を防ぐために効果的な食事の具体策とは(写真はイメージ)
熱中症を防ぐために効果的な食事の具体策とは(写真はイメージ)

熱中症防止へはまず食べること…スポーツ栄養士のお勧めは「朝からうどん」

 連日猛暑の中で行われる夏場の少年野球。グラウンドに立つ子どもたちのコンディショニングにおいて、保護者や指導者が頭を悩ませるのが、夏バテによる食欲低下だ。7月30日、野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」が、オンラインイベント「熱中症から子どもを守る 夏の栄養と水分補給講座」を開催。スポーツ栄養士の平見悠さんから、夏場を安全に乗り切るための具体策が明かされた。

「朝起きてこない」「食卓についても箸が進まない」「練習に行っても途中でバテてしまう」――。夏休み中にこうした悩みを抱える家庭は少なくない。ゲストとして出演した町田玉川学園少年野球クラブ(東京)の菊池拓平監督も、「今の時代、朝食を抜いて練習に来る子が一定数います。本来であれば家庭にお願いしなければならないのですが、僕らとしてもなかなか踏み込めないところではあります」と、食事指導の難しさを吐露する。

 では、食欲がない夏の朝、保護者は子どもたちに何を食べさせればよいのか。平見さんは、「夏場はまず『食べる』という意識を持ってもらうことが大前提。その上で、何よりもエネルギーの獲得を優先してほしい」と語る。

 エネルギー源となる主食といえば、お米やパンなどの糖質が挙げられるが、平見さんが夏場の選択肢として推奨するのが「麺類」の活用だ。平見さんは寮で食事提供を行っていた経験から、「朝からうどんに、おにぎりを組み合わせて出していました」と明かす。

「しっかりと3食を食べてほしいのですが、特に朝食は重要になってきます。成長期のうちにしっかりとエネルギーを補給しないと、身長が伸びない、体重が増えないといったことが起きてきます。朝にうどんとおにぎりを食べて、しっかりとエネルギーを補給してもらっていました」

「韓国のり」が流行も…エネルギー補給には疑問

 菊池監督は「朝から麺を食べる習慣があまりなく、どちらかと言えば昼以降に食べるイメージだったので新鮮ですね」と驚きを隠さない。文化的な先入観から敬遠されがちだが、喉越しが良く消化しやすい麺類は、食欲が落ちた朝のエネルギー補給として極めて理にかなった選択なのだ。夏場の時期は、冷やし麺にすることで食も進む。

 また、大葉や生姜といった香味野菜や香辛料を少量効かせ、食欲を刺激する工夫も効果的だ。どうしても固形物が喉を通らない場合は、フルーツジュースやゼリー飲料、プロテインなどを活用し、まずは胃にエネルギーを入れることから始めるのも有効だという。

 食事とあわせて重要なのが、練習の合間にとる「補食」の選び方だ。運動前や運動中には、素早くエネルギーに変わる水ようかんやカステラ、バナナ、エネルギーゼリーといった「糖質が多く油分の少ないもの」が適している。

 一方で注意したいのが、エネルギーにならない補食だ。町田玉川学園少年野球クラブでは、手軽な塩分補給として「韓国のり」が流行しているというが、平見さんは「エネルギー補給という観点からはあまりおすすめできません」と指摘する。

 韓国のりは一般的に10枚(約5グラム)で約20~25キロカロリーと、運動に必要なエネルギーがほとんどとれず、油分が胃腸の負担になる可能性がある。同様にコンビニの揚げ物やカップラーメンも、消化に時間がかかるため夏場の補食としては避けるべきだという。

 熱中症予防やパフォーマンス維持のベースとなるのは毎日の食事だ。「朝はご飯と味噌汁」という固定観念を一度捨て、子どもたちが無理なくエネルギーを補給できる環境を整えていきたいところだ。

(内田勝治 / Katsuharu Uchida)

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