過酷な登板続いた「使い捨て」の日々 長嶋一茂に被弾で大目玉「誰に打たれているんだ!」

元中日・米村明氏【写真:山口真司】
元中日・米村明氏【写真:山口真司】

“出直し練習”の翌日から連勝、8月は15勝をあげる快進撃

 そして中日の快進撃はその6連敗後から始まった。「札幌から名古屋に戻ってチーム全体で走ることからやり直しとなった。ポールからポールを10往復とかね。あの時の名古屋は暑かったですね。6連敗して星野さんにコーチ陣が『明日からどうするんや、練習メニューを持って来い』と言われて『走ることから』となったと聞きました。星野さんは『お前らが考えることはその程度か』って言ったらしいですけどね(笑)。でも、そこからですもんね」。

“出直し練習”の翌日から中日は6連勝、1敗、また6連勝と白星を重ねた。その勢いで突入した8月は15勝5敗3分。首位を快走し、リーグ優勝を成し遂げた。米村氏も屈辱の3連発被弾から中3日で7月10日のヤクルト戦(ナゴヤ球場)に先発し、7回1失点で5勝目。さらに中5日で先発した16日の阪神戦(甲子園)では6回1/3、2失点で6勝目を挙げるなど、奮投した。そこには、もしかしたら100円ライターになってたまるか、の思いもあったのかもしれない。

 後半戦最初の登板となった7月31日のヤクルト戦(神宮)では初回に小川淳司外野手と池山隆寛内野手に一発を浴び、2回にも7番打者の長嶋一茂内野手に被弾し降板。「星野さんに『お前、誰にホームランを打たれているんだ! このボケぇ!』と言われて『すみません』って言った記憶はありますけどね」と苦い出来事になったが、そこでもまた立て直した。「結構、頑張ったと思いますけどね……」。この次の登板で、米村氏は史上初となる毎回被安打での完封勝利を達成することになる。

(山口真司 / Shinji Yamaguchi)

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