“Baseball5”はなぜ「大人にこそ最適」? 世界的にも急拡大…甲子園V腕が伝える魅力

Baseball5をプレーする吉永健太朗さん【写真:本人提供】
Baseball5をプレーする吉永健太朗さん【写真:本人提供】

日大三高で甲子園V…吉永健太朗さんが広める“新・手打ち野球”

 甲子園優勝投手が、新時代の「ベースボール型競技」普及に努めている。東京・日大三高のエースとして2011年夏の選手権を制した吉永健太朗さんは現在、人材紹介サービスの「パーソルキャリア株式会社」でスポーツ関連の採用支援をする傍ら、「Baseball5」(ベースボール・ファイブ)の普及活動を行っている。「ボール1つで手軽にできるのが何よりも魅力」と吉永さん。子どもたちだけでなく大人にも挑戦してもらいたいという、“進化系”手打ち野球の可能性について語ってもらった。

 2017年に誕生したBaseball5は、18メートル四方、塁間は13メートルとコンパクトなフィールドで、1チーム5人(男女混合)が野球と同様に攻守交代を行い、5イニング制で戦う競技。バット・グラブは不要で、守備・攻撃ともに素手で行い、打者は自分でトスしたボールを打つのが最大の特徴だ(ちなみにファウルやフェンスオーバーを打ってしまうと即アウトになる)。

 フィールドが小さいために動きもスピーディーで、1試合20~30分ほどで終了する。神奈川・横浜隼人高など高校野球の強豪校も取り入れており、今月末に、アフリカ・セネガルの首都ダカールで開幕する「夏季ユース五輪」にも正式種目として採用されるなど(日本は不参加)、世界的に普及が進む注目のアーバンスポーツだ。

「フィールドがコンパクトな分、選手同士の距離感も近くて、ナイスプレーをした選手に駆け寄ってハイタッチをして盛り上がれます。野球とバレーボールの、いいとこ取りのような雰囲気が作り出せる。コミュニケーションツールとしても、ものすごく良いと思います」。そう語る吉永さんは、2023年にBaseball5のチーム「Hi5Tokyo」(ハイファイブ・トウキョウ)を立ち上げ、東京・品川区や文京区を中心に活動している。

 子どもたちの運動神経向上にはうってつけだ。「打つ、走る、捕る、投げるといった要素が全て詰まっている。例えば小学校の『ベースボール型授業』として、未経験の子にいきなり野球をやらせるのはハードルが高いですが、Baseball5は道具もなく手軽にできます」。今夏も全国的に猛暑や長雨に悩まされたが、コンパクトなBaseball5は屋内でもプレー可能で、天候に左右されないのもメリット。「Baseball5自体をプレーしていくのもいいですし、野球への入り口の1つとして活用していくのも良いと思います」と吉永さんは話す。

Baseball5の競技性は「大人の“真剣勝負”に向いている」と語る【写真:本人提供】
Baseball5の競技性は「大人の“真剣勝負”に向いている」と語る【写真:本人提供】

コミュニケーションツールに最適「大人の皆さんこそ楽しんで」

 メリットは子どもたちだけに限らない。場所を取らないコンパクトさ、性別に関係なくプレーできるジェンダーレスさ、コミュニケーションを密に楽しめるエンターテインメント性……。吉永さんは「大人の皆さんにこそBaseball5を知ってもらい、楽しんでもらいたい」と考えており、その一環として現在、“経営者対抗リーグ”の立ち上げを計画しているという。

「リモートワークが広がり、人と人との接点が少なくなっている中で、Baseball5はチームビルディングの1つの材料としても最適だと思います。競技自体の認知度がまだまだですから、まずは会社経営者の皆さんにその魅力を知ってもらい、そこから企業で働く人たち、さらにはその子どもたちにも広がっていく。そうした普及へのアプローチができればと考えているんです」

 例えば草野球の場合は経験者・未経験者の差も大きいし、フィールドが広い分、体力的に自信がなくなってくる年代には難しくなるが、Baseball5ならば体力的負担も小さく、経験者・未経験者がコミュニケーションを取りながらゲームを進めやすい。

「大人の皆さんの“真剣勝負”に向いています。実際にプレーしてもらうと『めちゃくちゃ楽しい』という声が多く聞かれます。ぜひ、いろんな方に体験してもらいたいですね」。道具も、特別な施設も必要ない新競技の奥深さが、より多くの老若男女に広がることを願っている。

(高橋幸司 / Koji Takahashi)

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